2025年3月4日

ジュネーブ:現在開催中の第58回国連人権理事会(UNHRC)において、国連人権高等弁務官のフォルカー・テュルク氏が国際社会に向けて重要な演説を行い、中国における人権問題、とりわけチベット、東トルキスタン、香港に関する深刻な懸念を強調した。
演説の中で、テュルク高等弁務官は、これまでの報告で示された深刻な懸念を再度表明し、中国の人権問題における意義のある進展が急務であると強調した。また、弁護士や人権擁護者、市民ジャーナリストが恣意的に拘束されている現状にも強く言及し、異議を封じ込め、表現の自由を制限するために、曖昧な刑事罪が広く使われていることを非難した。
テュルク氏はチベットを演説の中心的なテーマとして取り上げ、チベット自治区(TAR)における表現の自由や宗教・信仰の自由が引き続き制限されていることに深い懸念を示した。特に、チベット文化やアイデンティティを損なう教育政策に注目し、こうした措置が社会全体の制約とともに、現地に暮らすチベット人の権利や自由に大きな影響を及ぼしていると指摘した。
香港については、国家安全保障法が広範に適用されていることに言及し、これらの法律が市民社会を抑圧し、政治的自由を制限するために使われていると述べた。また、これらの法律が民主主義支持の声を封じるために重要な役割を果たし、特別行政区内での言論と表現の自由を制限していることを強調した。
東トルキスタンの状況について触れる中で、テュルク氏は国際労働機関(ILO)の最近の報告書に言及し、同地域における対テロ措置や労働プログラムを検討した。また、特にウイグル族や他の少数民族に対する人権侵害が引き続き体系的に行われていることを強調し、これらの人権侵害に関して中国が長年にわたる国連の勧告に対応する緊急性を訴え、責任を追及し、進展を確保するために国際的な注目を高める必要があると呼びかけた。
演説の最後にテュルク氏は、中国との継続的な関与に対する国連の取り組みを改めて強調し、中国当局に対し、これらの重要な人権問題に取り組むための具体的な措置を講じるよう求めた。また、これらの分野での進展が、基本的人権と自由を守るために不可欠であると強調した。
ジュネーブのチベット事務所は、テュルク高等弁務官の発言を歓迎し、チベットにおける人権状況に引き続き注目していることに感謝の意を表明した。また、チベット人やその他の中国国内の疎外された集団に対して実質的な改善を実現するために、引き続き国際的な圧力をかける必要性を強調した。
この最新情報と国連人権理事会(UNHRC)内での継続的な対話は、人権保護とすべての人々の尊厳を擁護するために、国際社会が取り組む姿勢を強化している。
— チベット事務所ジュネーブによる報告
(翻訳:Yuki)