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中国政府が20人以上のチベット人を不当に拘束、ゴンポ・ナムギャル村長を撲殺

2024 年 12 月 24 日

ゴンポ・ナムギャル村長(左)とケンポ・テンパ・ダルギェ師(右)。写真:チベットタイムズ

ダラムサラ:中国当局は、現在は青海省、四川省、甘粛省に編入されている伝統的なチベットのアムド州ゴログ・チベット族自治州タルラク県ポンコー村で、20人以上のチベット人を不当に拘留し、そのなかのチベット人のゴンポ・ナムギャル村長は、数ヶ月にわたり電気器具を使った激しい拷問により亡くなりました。

入手した情報では、20245月、ゴログでケンポ・テンパ・ダルギェ師率いるチベット語学協会が大規模な「純粋母語」キャンペーンを実施したため、中国当局はケンポ・テンパ・ダルギェ師を含む20人以上のチベット人とゴンポ・ナムギャル村長を逮捕し、ゴログの公安本部に強制連行しました。

ゴンポ・ナムギャル村長は、拘留中7か月以上にわたって中国公安による激しい拷問と非人道的な扱いを受け、20241218日に悲劇的な死を遂げました。情報筋の話では、村長は体調を崩し拘留から解放されましたが、解放後3日以内に亡くなりました。タリン僧院の火葬場で遺体を火葬する準備中、内臓の多くが、電気器具による拷問の結果、焼かれていたことが発見されました。

信頼できるチベット情報筋の報告によると、ケンポ・テンパ・ダルギェ師は大変敬愛されたチベット仏教教師で、チベット東部にラルンガル仏教研究所を設立し、皆に尊敬されているラマ(上師)、ジグメ・プンツォク師に深く愛され、親しい存在だったということです。長年にわたり、ケンポ・テンパ・ダルギェ師はチベット語学協会を率い、この地域での母語の喪失を防ぐために数多くのキャンペーンを実施し、大きな影響を与えてきました。

ケンポ・テンパ・ダルギェ師はチベット遊牧民コミュニティーに家畜をむやみに殺さないよう指導するなどの提言を頻繁に行ってきました。これは中国政府の見解と一致しないため、中国政府は今年5月、逮捕して強制連行する口実として同氏をタルラク県の会議に呼び出しました。現在、チベット国内の献身的な信者たちはケンポ・テンパ・ダルギェ師の体調を非常に心配し続けています。人々は継続的に宗教儀式を執り行っており、僧侶や他の宗教実践者に対し、ケンポ・テンパ・ダルギェ師の健康と早期釈放のための祈りと儀式を執り行うよう繰り返し要請しています。

チベット自治州内のチベット人は、中国政府からの迫害と投獄という巨大な脅威にもかかわらず、自らのチベット人としてのアイデンティティ、特にチベット語を維持しようと努力しています。これらは共産党政府のいわゆる「中国の民族統一意識」の枠組みや政策において最も重要で、基本的にあらゆる生活分野からチベット語を排除することで、中国語を主要な言語にすることを意味しています。

ケンポ・テンパ・ダルギェ師の逮捕と拘留は、自治州内のチベット人に重大な影響力を持つゴンポ・ナムギャル村長の拷問死とともに、“国家の安全を脅かす、または分離主義者”という不当な容疑で、影響力のあるチベット人を迫害する中国政府の邪悪で巧妙に仕組まれた計画の一部です。これらの計画は、中国共産党政権に対するチベット人の抵抗を無力化し、チベット人の動員数を減らすことを目的としています。

共産党政権に異議が唱えられ、チベット自治州内のチベット人が中国憲法と国際人権法で保障された基本的人権を否定されない限り、チベット人のアイデンティティは将来衰退していくでしょう。

–国連、EU、情報・国際関係省人権デスク、チベット人権擁護課による報告

オリジナル記事


(翻訳:Samsara