2001年6月26日
チベット亡命政権ロンドン代表部事務所
(ロンドン)6月25日、イギリスのチャールズ皇太子は、イギリスに住むチベット人コミュニティーのために、ダライ・ラマ法王の66歳のお誕生日祝賀会をセント・ジェイムズ宮殿で開いた。イギリス中の至るところから100人以上のチベット人とチベット関係グループの代表約15人が参加した。
チベット人達は地域独自の様々な民族衣装を身につけ、祝賀会では、チベット伝統芸術団のメンバーによる、魅力的なチベット音楽とダンスが披露された。皇太子は、できるだけ多くのチベット人と話すことができるよう1時間を予定していたが、1時間30分を会場で過ごした。
チベット亡命政権ロンドン代表部事務所(北欧管轄)のミギュル・ドルジェ代表は、チベット人コミュニティーとチベット事務所を代表して、「イギリスに住むチベット人コミュニティーにとって、私達の指導者、ダライ・ラマ法王の66歳のお誕生日をチャールズ皇太子と一緒に祝え、祝賀会がこの場所で催されたことは、素晴らしい特別な名誉です」と、皇太子に感謝を述べた。
「イギリスにいる全てのチベット人は、長年、皇太子がチベット問題に関心を持っていらしたことを知っています。政治的にデリケートな問題にも関わらず、皇太子のこのような気遣いと主義に、私たちはいつも深く感謝しています。ダライ・ラマ法王は、賢明に、チベット問題は平和的手段によってのみ解決することができると強調しておられます。自治を求める我々の闘いに対して、どのような精神的な援助であっても、それは非常に意味と価値があるものであり、とても私たちを勇気付け、ありがたいものです」と付け加えた。
チャールズ皇太子は、チベット事務所とイギリスのチベット人コミュニティーを代表して、ドルジェ代表から伝統的な手作りのタンカ(仏画)を受取った。贈呈後、ドルジェ代表は、「我々のこの感謝の印は、皇太子の長寿とイギリスの繁栄を願うものです。」と述べた。
それに答え、チャールズ皇太子は、一人の人間として「法王様の長寿」への祈りを込めた「深い尊敬の意」を表し、ダライ・ラマ法王のお誕生日を祝って祝辞を述べた。また、特に、「チベットへの侵略」以来、50年以上に渡る、中国人によるチベット人へのひどい「迫害と挑発」にも関わらず、ダライ・ラマ法王が「中国に対して非暴力」主義を貫いていることに、心から尊敬の意を表した。皇太子は、「立場上、自分自身の背景にある少しの影響力」を使って全力を尽くしても、チベット問題を解決するために個人的にできることが少ししかないことを残念に思っていると、語った。
また皇太子は、笑いと称賛を受けながら、中国の指導者に敬意を表しつつ、パーティーに出席するには「多くの理由」が必要だったと、最近の失敗談を披露し、その結果、人々から、たくさんの感謝の手紙を受け取ったのは、うれしい驚きだったと語った。そして、「非報復」の立場を維持することを通して、やがてはチベットの状況が「正しい状態」に戻る時が来て、成果は続いて起こるだろうと、自身の心情を述べた。
皇太子は、亡命中の全てのチベット人が無事に祖国に帰り、そこで幸せを見つけることができるよう希望し、祈っている。また、自分自身が、いつかチベットを訪れることができるよう願っていると語った。 皇太子は、別れ際に冗談として、その時は「年をとって介添えが必要になっているかもしれない」と付け加えた。チャールズ皇太子は、ミギュル・ドルジェ代表が限られた財源の中で、この集会を手配してくれたことに感謝を述べた。