(2010年3月6日 Phayul.com )
(ダラムサラ)チベット人権民主化センター は3月2日、中国政府による「厳打」キャンペーンに強い不満を表明。このキャンペーンによって、不当逮捕や拘束、暴力行為が激増しているとし、中国政府に対し、このチベット人に対する明らかな人権無視行為、悪名高きキャンペーンを即時中止するように訴えた。中国当局は2008年、多数の死傷者を出した大規模な政府への抗議行動がおこったことをふまえ、ヒマラヤ地方の首都ラサにおいて、およそ500名を逮捕・拘束している。
政府で運営するウェブサイト・chinatibet.comの情報によると、ラサでは“取り締まり強化キャンペーン”により、4,115の賃貸住宅を捜索、60の“反政府的傾向の高い”エリアがチェックされ、7,347名の一時滞在者が身体検査や尋問などを受けたといい、また70以上のゲストハウス、インターネットカフェ、エンターテイメントセンターおよびカフェが公安当局の厳しい監視下に置かれていると述べている。
また3月5日付けの同サイト記事によれば、当局はおよそ1,134名の捜査員と300名の管理官をラサへ派遣、身分不詳の49名を容疑者として逮捕・6つの刊行物の発行を禁止したとされる。逮捕者の1人である尼僧は、逮捕理由も明確にされないまま拘束されたという。
チベット人権民主化センターは、公安当局がラサ近郊のセラ、デプン、ガンデンの3つの主要僧院の僧侶達が抗議行動を起こすことを恐れ、厳しい行動規制をかけていると述べた。しかし、僧院の事務局には特別許可証を発行し、食料の調達などには支障のないようにしている。
3月10日の民族蜂起記念日を前に、「ラサ・ネイバーフッド・コミッティ」なる委員会も発足、3月1日より「治安維持スタッフ」として居住者同士の監視を強化するなど、「社会治安維持のため」に中国当局は神経を尖らせている。
(翻訳:Fumi Dolkar)