(2004年7月26日 SFT(Students for a Free Tibet スチューデント・フォア・フリーチベット))
(オタワ)今日(7月26日)に中国政府高官と中国共産党党員がチベットについてのディスカッション(※註)をカナダで行うことを受け、チベット人及びチベット支援者らは激しく抗議を表明する。チベット人も含まれている中国政府が組織したこの「代表団」は、「チベット自治区」の高官チャムバ・プンツォックとカナダ駐在の中国大使メイ・ピンの主導によるものである。過去45年以上にわたるチベット人の信仰と文化について(外国人を前に)議論を交わすという演出のもので、チベット人及びチベット支援者らは、1949年の中国による侵略以降のチベットの悲惨な歴史を白紙化することに狙いがあるのではないかと危惧している。
(※註)7月26日、カナダのオタワで、中国大使館主催によるチベット自治区高官のチベットについての講演・座談会があった。
「代表団」のカナダ訪問は、チベットについて美辞麗句を並べ立て欧米社会を納得させようとする中国共産党によるプロパガンダの一環である。リークされた2000年以降のある中国政府資料によると、チベット解放に向けた国際的支援が高まっている今日、「チベットに対する世論への海外でのプロパガンダ運動」を行う必要性が明言されている。一方、アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチ、その他の監視団体は、チベットにおける人権侵害が毎年悪化の一途を辿っていると報告している。
「私はひとりのチベット人として、チベットの情勢がだんだんと悪くなっていることがよくわかります。チベット国内のチベット人たちは、自分たちの信仰について自由に話したり実践したりすることもできず、ダライ・ラマ法王の写真さえ禁止されています。それなのにどうして、中国政府はチベットの情勢が良好などと発表することができるんでしょう!」
SFTメンバーのリンチェン・ドンドゥップ
チベットのカンゼ地方で尊敬を集めている高僧トゥルク・テンジン・デレク(尊敬されてテンジン・デレク・リンポチェとも呼ばれている)は、冤罪で2004年12月初旬に死刑が執行されることになっている。その彼を釈放させようと国際的な運動が高まっているさなか、この「代表団」のカナダ訪問。チベット人たちは中国政府に対して、トゥルク・テンジン・デレクの死刑判決を撤回し、チベット亡命政権と前提条件を付けることなく交渉の扉を開くよう、要求し続けている。
「テンジン・デレク・リンポチェ(トゥルク・テンジン・デレク)は、チベットの宗教と文化のために努力され、そのために今、死に直面されています。世界中の政府が人権問題のために立ち上がり、チベット問題の交渉の席につくよう中国に圧力をかける時が来たのです」
SFTメンバー調整担当のモード・コテ