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高村外相、中国にチベット問題の透明化を要求

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(2008年4月27日 APF通信)

高村正彦外務大臣は日曜、中国に人権問題が全くないということは信じ難いと述べ、中国に対しチベット問題の透明化を再び要求した。

中国政府による暴動の鎮圧が行われ、諸外国の関心を集めているヒマラヤ地方では人権弾圧の疑いが持たれているが、問題の透明化がその国際的疑いを解決するのに役立つとしている。

「ダライ・ラマ側と中国政府側の主張には大きな差がある。真実はおそらく両者の中間ほどにあるのだろう」と高村外相は述べた。

又、フジテレビの番組内で「人権弾圧、人権問題がこれまで全くなかったということは考えられない。しかしそれらの問題がどれ程のものなのかは分らない。透明性がない限りは、力がある側が(人権弾圧を)行っていると世論で疑われてもしかたがない」とも述べた。

今月上旬、高村外相は中国の外務大臣との対談でチベット問題解決について、事態をより明確にすることと対話の重要性を強調した。これに対し中国の外相は「チベット問題は中国の内政問題である」として拒んだ。

先月チベットでは、仏教徒が大半を占める地区における中国政府の統治に対する抗議活動が行われ、ここ20年間で最大のものとなった。チベット指導者達は150人以上がこの暴動で死亡したと見ているが、中国当局は鎮圧の際に死者は出なかったが、20人がチベット人暴動者により殺害されたとしている。
中国側はチベットの精神的指導者、ダライ・ラマの側近者達を社会的動揺を画策し、来る北京オリンピックを意図的に妨害しようとしている、と繰り返し非難している。

これに対しダライ・ラマはその非難を否定し、ヒマラヤ地方にチベットの言語や文化、環境を中国国内に保存するための「有意義な自治」のみを求めており、独立を望んでいるのではない、と述べている。

中国は金曜、8月のオリンピックに影響を及ぼしているこの問題について、ダライ・ラマの特使と会談することを提案した。

高村外相は日本はオリンピックの開会式に出席するかまだ決定していないが、これはチベットの暴動が原因でボイコットをするわけではない、ということを強調した。「チベット問題と開会式出席を関連付けて考えているのはフランスのみだ」と付け加えた。

又、土曜に行われたオリンピック聖火リレーにおいて、警察の警備体制を「よくやってくれた」と評価した。抗議者達が聖火に向かってゴミ等を投げつけたり、中国人サポーター達による騒ぎがあった。長野での聖火リレーが行われている最中、6人が逮捕されたが、中国人やチベット人は含まれていなかった、と外相は述べた。
聖火は日曜、ソウルへ向かった。