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米国議会議員が国連によるチベットの中国寄宿学校 調査を要請

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スタッフ・リポーター
2022年12月3日

ダラムサラ:チベットの子どもたちが強制的に両親から引き離されている。これは深刻な人権侵害であり、同時にチベットの文化と言語の抹消につながることでもある。この件については複数の報告がなされているが、この度、米国議会の議員2名が、これらの報告についての調査を国連人権高等弁務官に要請した。

要請を行ったのは、上院議員ジェフ・マークリー氏と下院議員ジム・マクガバン氏である。両氏は、超党派かつ上下両院のメンバーを擁する「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)」の委員長と共同委員長をそれぞれ務めている。両氏は、中国国営の寄宿学校で、全チベット人児童の80%近くが、「極度に政治色の強いカリキュラム」の下で自分たちの権利をはく奪され、チベット人としてのアイデンティティを喪失する危機に直面しているとの報告を引用し、国連人権高等弁務官フォルカー・ターク氏に書簡をしたためた。

両氏は、2021年のチベット・アクション・インスティテュートの報告書に基づいて、「中国政府は、6歳から18歳の児童を両親から引き離して、「植民地」さながらの寄宿学校に入れ、北京語(標準中国語)によるカリキュラムを受けさせることによって、チベットの言語を「中国化」することを狙っている。この政策が特にチベット人に対して行われていることは、これらの学校にいるチベット人児童の数が、中国の他の地域在住の学生に比べて著しく多いことを見れば明らかである」と語っている。

「チベット人の両親はまた、子どもをこのような学校に入れることを頻繁に強要される。その結果、子どもたちは家族から引き離されることで「精神的・感情的苦痛」に晒され、劣悪な生活環境といじめに苦しむこととなる。このことは、家族が離れ離れにならないように守り、自分の子どもに受けさせる教育を選択する両親の権利を侵害している」と両氏は指摘する。

「経済的・社会的・文化的権利に関する国際規約」は、締約国が文化的活動と文化的権利の行使に介入することを禁じている。マークリー氏とマクガバン氏は書簡の中で、中国がこの規約を尊重する義務に違反していると記している。この権利は、個人と共同体が価値観、宗教、習慣、言語、その他の文化的事柄を後の世代に継承するための教育の権利と本質的に結びついている。

中央チベット政権(CTA)のテンジン・レクシェイ報道官は、チベットの寄宿学校は「少数民族、特にチベット人を標的としており、チベット人は意図的に母国語と自国の文化・宗教から切り離され、それらを学ぶ権利を奪われている」と説明する。「中央チベット政権(CTA)は、米国議会が国連に、チベットの植民地的寄宿学校による強制的な家族分断についての調査を依頼してくれたことを感謝している」とレクシェイ氏は語った。

「児童の権利に関する条約」には、「児童が違法な介入を受けることなく国籍、氏名、家族関係を含む自分のアイデンティティを保守する権利」が定められている。また締約国は「民族、宗教、または言語的少数民族が自分たちの言語を使用する権利を保証する義務がある」とも定められている。書簡では、中国がこれらの義務に違反していることが指摘されている。また、「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第18条には、両親が自分の信念に基づいて自分の子どもに道徳教育をほどこす自由を国家は尊重しなければならないと定められているが、中国はこの規約に調印しているにも関わらず、その寄宿学校政策はこの条項に違反している。

この書簡は、国連高等弁務官が本案件を来年3月に行われる次回の人権委員会の懸案事項として扱うこと、並びに特別報告者と専門家たちが、チベット訪問、寄宿学校が人権に及ぼす影響の調査、およびチベットの現状の評価を呼びかけるよう求めることを要請している。過去においても、このような政策によって、先住民族の子どもたちが「文化的ジェノサイド」という形で、そのアイデンティティの変更・抹消を余儀なくされたことがあった。それがどのような結果をもたらしたかを知っているだけに、議員たちは、この政策がチベットに対して及ぼす影響を断固として阻止することを決意している。

 国連、EU、および人権デスク、チベット擁護セクション、中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)による報告


(翻訳:麻雪)

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