2020年10月14日
アメリカ合衆国、ワシントンDC
マイク・ポンペオ米国務長官は、ロバート・A・デストロ国務次官補を、チベット自治区をめぐる問題を担当する新たな特別調整官に任命すると発表した。
報道発表によると、「チベット支援法に基づいて、特別調整官のデストロ氏は、中華人民共和国(PRC)とダライ・ラマ法王又は代表使節との対話を促進する米国政府の取り組みを主導する。チベット人固有の宗教的、文化的そして言語的な主体性を保護し、チベット人の人権が尊重されることを強く求める。また、デストロ氏は、チベット難民の人道的ニーズに応じて、チベット人コミュニティの持続可能な経済発展と環境保全を促進するための米国の取り組みを支援する。
「引き続いて米国政府は、中国によるチベット地域における宗教の自由と文化的伝統に対する厳しい抑圧、実質的自治権の剥奪、人権状況の悪化など、チベット共同体に対する中国の弾圧を懸念している。」
「特別調整官のデストロ氏は、これらの問題に対処するために、チベットの指導者、国際的な協力関係にある機関や専門家等と連携するとともに、チベットの世界的な民族離散、宗教や信念の自由を含む人権を擁護する多くの支持者を支援するために各部門の関与を調整する。」
特別調整官のポストは、チベット中央政権と米国議会のメンバーによる度重なる訴えにもかかわらず、2017年以来、トランプ政権の下では空席の状態が続いていた。このポストは伝統的に、民間人の安全、民主主義、人権を担当する次官が就任してきた。
「今回の任命は、中国共産党の命令の下、ここ数ヶ月の間に加速した新疆ウィグル地区の強制労働収容所における重大な人権侵害や違反に関する最近のニュースを契機として行われたと思われる。50万人のチベット人が強制労働に追い込まれており、今回の特別調整官の任命は、米国政府によるチベットへの有意義な支援の一歩として歓迎する。そして、これを機に、中国政府と中道のアプローチについて話し合う」とヌゴドップ・ツェリング代表は述べた。
ロバート・デストロ氏は、現在の米国務省民主主義・人権・労働局の責任者。
ロバート・デストロ氏は、チベット問題を担当する米国特別調整官の6代目。サラ・セウォール氏(2014-2017)、マリア・オテロ氏(2009-2013)、ポーラ・ドブリアンスキー氏(2001-2009)、故ジュリア・タフト氏(1999-2001)、グレゴリー・クレイグ氏(1997-1999)が特別調整官を歴任している。
(チベット中央政権ワシントンDC代表事務所により提出)