ワシントンD.C.デイリー・プレス・ブリーフィングにおけるビクトリア・ヌランド国務省報道官の回答
質問:チベットの件について。今年9月、アバチベット族自治州を訪問するゲイリー・ロック駐中国大使の姿が目撃されています。ツイッターに写真も投稿されました。アバは去年から30件以上の焼身抗議が起きている地域ですが、駐中国大使が同地域を訪問したという今回の情報は正しいものでしょうか。国務省はこの件に関してそれ以上の情報を把握していますか。
ヌランド氏:ロック大使は9月に重慶市および四川省の広い地域を訪問しましたが、その一環としてアバチベット族自治州にも立ち寄りました。その間、大使は中国政府官僚らと会見したり、米中間貿易促進のためのイベントに参加し、スティルウエル記念館も訪れています。アバではチベット民族を含む多くの一般住民と交流しました。印象深い写真を皆さまもご覧になったと思います。観光産業に従事する人たちにも接触しました。大使は少数民族であるチベット人の生活や仕事についてより理解を深め、彼らと直接話しをするためにいくつかの村や寺院を訪ねました。
皆さまもご存知のように、私たちはチベットに関して常に私たちの立場を明確にし、中国政府とチベット民族がより有益な対話を持つことを促してきました。また、焼身抗議が後を絶たないことについても大いに憂慮していることを明言してきました。
質問:大使は同地域に何日間滞在されましたか。取り締まりが強化されていますがどのような印象を持たれましたか。
ヌランド氏:訪問後の大使の個人的な見解をお話しすることは私にはできません。在北京大使館の報道官から聞いてください。滞在は3〜4日だったと思います。正確には分かりませんが、重慶市訪問と四川省訪問の合間にアバに立ち寄りました。再度申し上げますが在北京大使館からより詳しい情報が得られると思います。
質問:大使は今現在国内においでですか。おいでなら彼が見聞したことを議会リーダーやアメリカのチベット人コミュニティーと共有する心積もりはおありですか。
ヌランド氏:米国議会議員が中国を訪問する際には、ロック大使からきまって事前に説明があります。チベット内部におけるさまざまな人権問題は必ず話題にのぼりますが、大使は個人的な見解も述べますし、いかに中国政府に問題を提起すべきかについても議員らと話し合っています。大使はこれに関してはばかることはありません。もし議会がこの度の大使の訪問について知りたいということであれば、大使はどのような質疑にも応える心積もりでいると思います。
質問:では大使は現在国内にいらっしゃるのですね。
ヌランド氏:率直に申しますが、国内にいたようですが‥今週は北京にいます。大使が今週ワシントンに戻ってきているという情報は私は聞いていません。正直に申し上げて、私がこちらに来た時、大使の所在は確認してきませんでした。
質問:最後になりますが、
ヌランド氏:はい
質問:焼身抗議について米国の立場を、より具体的に明確に説明していただけますか。
ヌランド氏:これまでにも何度も明言していますが、チベット内部で起きている焼身抗議と、そこに内在するチベット民族が抱える不満について私たちは大変憂慮しています。そして、彼らの不満について中国政府とチベット民族が対話を持つよう、一貫して促してきました。
(翻訳:中村高子)