スタッフレポーター
2023年3月27日
ジュネーブ:国連加盟国は、スイスのジュネーブで開催されている第52回国連人権理事会で、中国によるチベットを含む組織的な人権侵害について懸念を表明した。
オーストラリア、オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、EU、フィンランド、ドイツ、アイスランド、日本、リトアニア、ノルウェー、スイス、スウェーデン、英国及び米国の各代表は、チベットのように中国の支配下にある地域における深刻な人権状況について強調し、中国による継続的な人権侵害を強く非難した。また、国連加盟各国は、中国に対して国際人権法に基づく義務を遵守するように求めた。
チベットでの人権状況の悪化に関して、オーストラリアは、「チベットでの教育的、宗教的、文化的及び言語的権利と自由の衰え」に対する懸念を表明した。さらに、ベルギーは、中国による人権侵害に対する「深刻な懸念」を表明し、チベットにおける「強制的な寄宿学校制度やDNAの強制採取」を阻止するよう提起した。フィンランド代表団は、「客観的証拠に基づいて」チベット及び他の地域での中国による人権侵害について「懸念している」とし、「民族的、宗教的、言語的マイノリティに属する人々や人権擁護家、知識人及び弁護士を含むすべての人に普遍的人権を保証する必要がある」と主張した。
デンマークは、チベットの子どもたちが強制的に「家族から引き離された」との国連による報告を協調し、中国に対して、国際人権法に基づく義務を遵守し、国連人権高等弁務官事務所と協力するように重ねて要請した。
スイスは、国連経済的、社会的及び文化的権利に関する委員会による調査結果に基づいて、中国に対して直ちに人権侵害を終結させ、特にチベットで恣意的に拘禁さているすべての人権擁護者を解放するように強く求めた。
英国は、中国が普遍的な人権を軽視していることに対して深く懸念すると共に、中国に対してチベットにおける圧政的な政策を撤回するように促した。さらに英国代表団は、「100万人ものチベット人の子どもたちが、優勢な漢民族の文化に同化させるために家族から強制的に引き離された」との国連による最近の報告に対する懸念を強調した。
米国は、中国による人権侵害と中国で継続される「ジェノサイドと人道に対する犯罪」に対して「深い懸念」を再確認し、国連人権理事会にチベット及びその他の地域で中国が犯した残虐行為に対して「継続して注視」するように促し、また国連高等弁務官事務所に「斯様な問題に対処する」よう要請した。同様に、ドイツ、リトアニア及びスウェーデンは、チベットを含む地域に対する中国による人権侵害に対して「深刻かつ深い」懸念を表明した。
EU、オーストリア、チェコ共和国、アイスランド、ノルウェー及び日本は、中国による人権侵害に対する懸念の増大を表明した。
さらに、人権擁護家の現況に関する対話の中で、国連特別報告者のメアリー・ローラー氏は、「人権擁護家に関して言えば中国は災難」であるとした。メアリー氏はさらに、15名の人権擁護家が中国によって10年以上に及んで投獄されたとの「衝撃的な」事例にも言及した。
フォルカー・ターク高等弁務官は、国連人権高等弁務官事務所の活動に関しての初となる口頭報告で、中国に関してチベット人、ウィグル人そしてその他の民族の保護を含む「様々な人権問題を調査するため、広範な関係者とのコミュニケーションチャンネルを開設した」ことを発表した。
2月27日から開催されている第52回国連人権理事会は、2023年4月4日に終了する。
‐中央チベット政権ジュネーブ代表部事務所による報告
(翻訳:仁恕)