(2006年8月15日 タイムス・オブ・インディア)
(ダラムサラ)ダライ・ラマ法王は、これまで自分はチベットの自治実現に向け、広い心で誠実かつ一貫した努力を続けてきたと感じているという。それこそがチベット人と中国人の両者が幸せになる唯一の道であると信じているのである。
先日、ダライ・ラマ法王は、ダラムサラでメディアに向けて語った。
「チベット人は反革命分子でも反改革派でもなく、私たちは中国に敵対しているわけではありません。」また、法王は、中国側の辛らつな態度に腹を立てているわけでもないと語った。
もし中国がダライ・ラマ法王なしでチベットの自治を認めるといったらどうするかという質問に対しては、自分はそれを喜んで受け入れるだろうと答えた。
また、「私の後継者問題は、インドに住む第二世代のチベット人たちが決定するでしょう」「私の存命中にチベット問題が解決することを望みます」と述べるとともに、「ガンジーのアヒンサー(非暴力)の思想を信じています。」と語った。
「私たちは固い決意と忍耐を持たなければなりません。万一、チベットの自由を求める活動が暴力に走るようなことがあれば、私は直ちに活動から手を引きます」。また、すでにほとんどの政治的権限をチベット亡命政権に引き渡していることから、自分は「半引退」した人間だとも語る。
ノーベル平和受賞者であるダライ・ラマ法王は、マルクス主義の考え方である平等な分配の考えに同意すると述べ、自分を「半・マルクス主義者」と呼んでも構わないと語る。また、左翼勢力の友人が中国国内にさえいることを認めつつも、彼らにチベット問題の解決を手伝ってもらう考えはないと語る。
だが、中国が、チベットにおけるチベット人の割合を少なくしてチベット人を少数派とすることを目的に、大量の中国人を流入させている件については憂慮しており、中国がチベット内の複数の主要河川の流れを変えて中国側へ流入させ、チベットの天然資源を破壊している、とも述べた。
法王はスピリチュアルな力を持っているのに、なぜ中国政府の気を変えることができないのですかと尋ねられると、物事にはそれぞれ行くべき道があり、「何よりも強いものは、時間です」と答えた。