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旧来のチベット東部地方カム・ドラクゴのチベット仏教学校を強制的に解体

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2021年11月11日
インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
スタッフレポーター

学校が解体されたことを明らかにする画像。写真提供:カルサン・ノルブ

チベット・タイムズによると、旧来のチベット東部地方カム・ドラクゴ(中国:炉霍県)地域の中国当局は、同校が土地利用の法律に「違反した」事実があるとして、チベット仏教学校を取り壊すよう命じました。ドラクゴのガデン・ラブテン・ナムギャル・リン僧院の管理下にあるゲデン・ナンテン仏教学校は、公式の令状を受けた後の2021年10月31日、地元チベット人の援助を受けて学校関係者により解体されたと報じられています。

中国当局は、学校の管理者に対し、「今後3日以内に自発的に学校を取り壊さなければ、政府が学校の解体を遂行する部隊を特派する。」と命じたとのことでした。さらに中国当局は、仏教学校の備品や所有地を含む財産を没収すると迫っていたことが伝えられています。

チベットの子供たち、特に、経済的貧困のために日々の生計手段として仏教学校に属していた子供たちは、学校が取り壊されたために追い出され、自宅に戻ることを余儀なくされました。

情報筋によると、今回の仏教学校の解体は、同一区内の住宅建築にしか適用されないはずの土地利用に関する法律に違反したとする、十分な証拠のない疑惑に基づいて遂行されているとしています。

過去に中国当局は、就学年齢に達していないとして、約20名の生徒を強制的に学校から追放の上、自宅に送り返しています。

現在、中国四川省に併合されたドラクゴに位置しているゲデン仏教学校は、2014年にガデン・ラブテン・ナムギャル・リン僧院の学者や僧侶によって建設されました。閉鎖に追い込まれる以前の同校では、チベット語・中国・英語等の言語や文法の授業、、仏教哲学の授業など、現代教育と伝統的教育の両方を提供し、約130名の生徒を受け入れていました。

過去、特に2008年と2012年にドラクゴ地域では、同区域において遂行された暴虐で不条理な政策や命令に対抗し、チベット人民による様々な平和的な抗議活動が行われました。こうした平和的な抗議活動は、しばしば残忍な抑圧と取締りにより対処されてきました。それ以来、中国当局は、地元チベット人の日常活動に対する監視と検閲をさらに強化し、優先的に行っています。

このような出来事は、中国政府がチベット文化や言語の中国化を近年推進していることを明示しており、チベットの学校が標的にされ続けています。このように、チベット人学校が、捏造された疑惑の下で閉鎖されることが繰り返されています。

チベット人学校の強制閉鎖は、チベット人の子供たちから言語と文化を学ぶ権利を奪っただけではなく、彼らに中国政府の学校に属することを強制し、継続的な文化的同化と言語の抑圧をもたらしました。

‐国連、EU、人権デスク/中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)による報告

解体物を運搬する当局。写真提供:カルサン・ノルブ
旧来のチベット東部地方カム地域所在のゲデン・ナンテン仏教学校が取り壊されている。写真提供:カルサン・ノブル

(翻訳:仁恕)