(2009年6月4日)
天安門広場での学生による民主化運動から20周年というこの日、「中国政府は人民に対してもっと責任を持つべきだ」 という民衆の要求を掲げて亡くなった方達に、中国の問題に関心を持つ皆さんと共に謹んで敬意を表します。
天安門事件に関わった学生達は、反共産主義者でも反社会主義者でもありませんでした。憲法によって保証される中国人民の権利を守り、民衆を重んじ、不正に反対するという彼らの主張は、中国共産主義政府の基本的思想に一致するものでした。この事は、当時の総書記も明言しています。ですから、来たる中華人民共和国建国60周年は、1989年6月4日の出来事を振り返る大きな機会となることでしょう。
1989年以来、中華人民共和国では大きな変化がありました。、中国は国際的な経済力を持ち、超大国となろうとしています。中国の指導者達が勇気と広い視野を持って、平等主義的原則をもっと心から受け入れ、多様な考え方に対し、さらなる和解と寛容の政策を推進することを願っています。開放政策と現実主義は、中国国内に大きな信頼と調和をもたらし、真に偉大な国家としての国際的立場を高めることになるでしょう。
ダライ・ラマ
2009年6月4日