スタッフレポーター
2023年1月11日
ジュネーブ:中国による終わることのない抑圧と組織的な統制に鑑み、4人の国連の専門家のグループは中国占領下のチベットにおける「チベット文化の順化と同化」政策に対して「深刻な懸念」を表明した。
国連の専門家たちは中国に送った国連共同報告の中で、「一連のチベットの教育、宗教及び言語教育機関に対する抑圧行為は、チベットの人たちの教育権、文化の権利、宗教及び信心とその他の少数者の権利を侵害している」と断定的に表明した。特に、専門家たちは「チベット人を漢民族文化に同化させるための大規模なプログラム」であるチベットにおける寄宿舎制度は、中国の主張に反すると強調した。この国連共同報告は2022年11月11日に起草され所定の手続きにより公開された。
中央チベット政権とチベットの人権団体が、チベット語の教育媒体の削除、地元のチベット学校の強制閉鎖、チベット語や文化を教えるボランティア活動縮小など、チベット文化、アイデンティティ、言語の組織的根絶について懸念を表明したことを受け、国連の専門家は、これらの問題についての政策や行動について中国に明確な説明を求めた。さらに、中国は、チベット語の教育を行う私立、半私立、国営の学校の数と過去10年間の変化に関する情報を提供するよう要請された。
17ページにも及ぶ同国連共同報告は、国際人権法への詳細な言及、並びに、国連人権条約機関や特別手続きによって過去に出された懸念や勧告の下での中国の義務を思い出させる別冊を含んでいる。特に、国連の専門家達は、1959年、1961年、1965年に国連総会で採択されたチベットに関する3つの決議(A/RES/1353(XIV)、A/RES/1723(XVI)、A/RES/2079(XX))を中国に思い起こさせている。
ジュネーブ・チベット事務局のティンレイ・チュキ代表は、国連の専門家によるこの深刻な問題への介入を歓迎し、「中国政府は国連専門家の要求に応じ、特に寄宿学校を通じて実施されているチベット人に対する文化変容・同化政策に関する詳細を提出すべき」と指摘している。
この通信は、少数者問題に関する国連特別報告者、文化的権利の分野における特別報告者、教育を受ける権利に関する特別報告者、宗教または信仰の自由に関する特別報告者の4人の国連専門家によって発出された。この報告へのアクセスは、こちらをクリックしてください。
-チベット事務局ジュネーブによる報告
(翻訳:Sakura Nakayama)