2025年9月4日

ダラムサラ:2025年9月3日、衆議院議員の和田有一朗氏がチベット亡命議会を訪問し、ケンポ・ソナム・テンペル議長およびドルマ・ツェリン・テイカン副議長と面会しました。
和田氏は、「第65回チベット民主化記念日」の公式記念式典にて読み上げた、日本チベット国会議員連盟会長の山谷えり子氏からのメッセージの写しを、議長と副議長に手渡しました。同氏には、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のアリヤ・ツェワン・ギャルポ代表が同行しました。
会談の中でテンペル議長は、和田氏がダラムサラを訪れ、「第65回チベット民主化記念日」の祝賀に参加したことに対して謝意を表明しました。今年はダライ・ラマ法王が90歳になられるにあたり、「慈悲の年」とも位置づけられているため、国会議員の訪問は、より一層意義深いものであると述べました。
また議長は、今年6月に東京で開催された「第9回チベットに関する世界国会議員会議」の成功についても言及しました。この会議は、日本チベット国会議員連盟や東京のダライ・ラマ法王日本代表部事務所、そして世界各国の国会議員の協力を得て実施され、大きな成功を収めたと評価され、アジア諸国にとっても刺激となったと語りました。
議長はさらに、チベット民主主義の歩みを振り返りながら、1960年に民主制度の基盤が築かれたこと、制度としての民主主義の確立、チベット国民によるカロン・トリパ(チベット亡命政府首相)の直接選出、そしてダライ・ラマ法王による政治的権限の中央チベット行政府への完全な委譲といった重要な節目について述べました。
日本とチベットの特別な関係にも触れ、法王が亡命後に最初に訪問した国が日本であったことを想起しました。また、日本チベット国会議員連盟が世界で最も多くの議員を擁する最大の支援グループであると指摘し、最後に、日本の支援はチベットにとって極めて重要であり、引き続きチベットとの連帯を強く求めました。
テイカン副議長は、民主化記念日の祝賀は複雑な感情を伴うものであると語りました。亡命下のチベット人が、法王から授かった民主主義の恩恵により自由と権利を享受できていることへの喜びとともに、チベット本土に残る人々が中国の支配下で基本的人権や自由を奪われているという現実に対する深い悲しみを感じていると述べました。
また、民主主義の原則に関して言及し、意見の相違は避けられないものの、それを乗り越えて共通の基盤を見出すことが重要であり、常に民意を最優先すべきだと強調しました。
副議長は、日本がチベット人にとってのインスピレーションを与える国であることも強調し、日本の民主的価値観から学べることは多いと述べました。また、東京で開催された「第9回チベットに関する世界国会議員会議」への感謝を述べるとともに、和田氏に対し、会議で採択された宣言と行動計画、そして今後のフォローアップ案の草案を手渡しました。最後に副議長は、ダラムサラ訪問への感謝の意を再度述べて締めくくりました。
なお、和田氏は議会ホールの見学も行いました。
— チベット亡命議会事務局による報告
(翻訳:中山直子)