チベット亡命政権 情報・国際関係省著「チベット入門」より抜粋
刑務所や強制収容所から生還した人たちの証言を元にまとめると、チベット全体で収容者のおよそ7割が死亡している。たとえば北チベットの荒涼とした高原にあるジャン・ツァラカでは、5ヶ所の収容所に10,000人以上の囚人が収容され、ホウ砂の採掘と運搬に従事させられていた。これら収容所から生還した人の話によると、毎日10〜30人が飢えや殴打、あるいは過労によって死亡し、1年間で8,000人以上が死亡したという。また、中国が解放軍の仕事だったと主張する、ラサのアチェン水力発電所の建築現場でも、毎日3、4人の収容者が死亡し、死体が近くの川に投げ捨てられたり、焼かれたりするのが見られたという。東チベットの例では、1960年〜1962年の間に、ダルツェド地区の鉛鉱で12,019人の収容者が死亡したと、元収容者のアディ・タペさんは証言している。
また、チベット亡命政権が収集した情報をまとめると、1949〜1979年の間に死亡したチベット人は、120万人を下らないという結果になる。
チベット3州での死者数(チベット亡命政権のまとめ) |
ウ・ツァン | カム | アムド | 合 計 | |
拷 問 | 93,560 | 64,877 | 14,784 | 173,221 |
死 刑 | 28,267 | 32,266 | 96,225 | 156,758 |
戦 闘 | 143,253 | 240,410 | 49,042 | 432,705 |
飢 餓 | 131,072 | 89,916 | 121,982 | 342,970 |
自 殺 | 3,375 | 3,952 | 1,675 | 9002 |
傷害致死 | 27,951 | 48,840 | 15,940 | 92731 |
合 計 | 427,478 | 480,261 | 299,648 | 1,207,387 |