(2014年9月1日)
2014年中国ーチベット会議『共通の立場を探る』
(2014年8月26−28日、ドイツ、ハンブルク)
ヨーロッパ、北米、オーストラリア、香港そして中国本土から集まった作家、民主活動家、人権擁護弁護士である私たちは、ドイツのハンブルクで開催された中国ーチベット会議『共通の立場を探る』に出席した。
そこで私たちはダライ・ラマ法王の基調演説を聴く機会を得、また、チベットの政治的指導者であるロブサン・センゲ博士、ディキ・チョヤン情報・国際関係省相、そしてヨーロッパの法王特使ケルサン・ギャルツェン氏とチベット問題に関する意見交換を行った。私たちは、チベットの宗教、文化、人権、環境、そしてチベット遊牧民の強制定住について徹底的に討論した。これらの意見交換を通じて、中央チベット行政府が掲げる中道のアプローチに関する疑問も払拭された。
前回2009年にジュネーブで開催された中国ーチベット会議『共通の立場を探る』以降、チベット内部の人権を取り巻く環境に改善はみられず、むしろ悪化している。チベットの言語、宗教、文化そして環境を中国政府が攻撃し続けた結果、これまでに少なくとも130名のチベット人が焼身抗議を行ってきた。チベット民族が最も崇拝するダライ・ラマ法王への中国政府による容赦ない不当な糾弾、政治的抑圧、宗教的迫害そして経済的マージナライゼーションはチベット内部で今もなお続いている。
中道のアプローチはダライ・ラマ法王の大いなる慈悲と知恵を体現するものである。それはチベット民族が自由を実現するための合理的、平和的かつ非暴力の方法であるだけでなく、紛争解決の新たな道でもある。中道のアプローチは政治外交に偉大な貢献となるダライ・ラマ法王のレガシーだ。
中道のアプローチへの深い理解をもとに、2014年の中国ーチベット会議『共通の立場を探る』に出席した中国人参加者は、満場一致で以下の合意に至った。
- ダライ・ラマ法王が提唱する中道のアプローチはチベット人と中国人に和解をもたらすだけでなく、平和的かつ非暴力の方法で自由を回復しようとするチベット人の努力を助けるものである。
- 中道のアプローチはチベット人、中国人双方に有益な提案である。
- 中道のアプローチは中国が平和的に民主国家へと変わるために大いに貢献するだろう。
- 民主主義国家中国はチベット問題の平和的解決を助ける。
- 中国人民は早急にチベット問題と中道のアプローチに対する理解を深めなければならない。私たち会議参加者は、そのために尽力することを決意する。
(翻訳:Takako Barker)