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中央チベット政権、チベット民主化65周年を記念

2025年9月3日

ダラムサラ:中央チベット政権(CTA)およびダラムサラ在住のチベット人コミュニティは、本日早朝、第65回チベット民主化記念日をツクラカンの中庭にて祝いました。式典には、日本の衆議院議員である和田有一朗議員、インドのローク・サバー(下院)議員であるアルフレッド・カンガム・アーサー議員、およびチベット国際キャンペーン(ICT)から約30名の代表団が出席しました。

この記念式典は、ダライ・ラマ法王がチベット民主主義の礎を築いた日を祝うものであり、来賓の到着で幕を開けました。続いて、チベット国歌とインド国歌、チベット民主化記念日の歌がチベット舞台芸術研究所(TIPA)のアーティストたちにより披露されました。式典の一環として、ペンパ・ツェリン主席大臣が第16期内閣の声明を読み上げ、「チベット・ヒマラヤ関係会議」の参加者の出席を称えました。

その後、チベット国際キャンペーンの理事であるクリスティーナ・ヤンセン氏が挨拶を行いました。ヤンセン氏は、チベット本土のある男性が、ダライ・ラマ法王への手紙を託した心打たれるエピソードを披露し、

「1989年のことを思い出します。当時私は若き外交官として北京に駐在しており、天安門広場で自由と尊厳を求める若者たちの希望と勇気をこの目で見ました。そして、2日間でその希望が踏みにじられた光景を深い悲しみとともに見届けました。あの経験は今も私の心に深く刻まれています。自由は何よりも貴重でありながら、とても脆いものだということを私に教えてくれました。

法王は、深くチベット的でありながら、普遍的な人間の価値に根ざした枠組み―慈悲に基づく民主主義を、皆さんに授けてくださいました。」と語りました。

主賓であるインド下院議員のアルフレッド・カンガム・アーサー氏は次のように述べました。

「ダライ・ラマ法王がチベット運動を世界中に広げるための、場、勢い、エネルギー、勇気、そして力を持てたのは、長年にわたる支援のおかげです。

しかしながら、悲しいことに、チベット運動は単なる無名の“大義”になってしまったのでしょうか。

法王がどのような生涯を歩んでこられたか―特に世界中のチベット人たちに対して何を体現され、何を示してこられたか―を見れば、慈悲に満ちた生き方、真実・勇気・包摂性・理解・忍耐をもって生きることこそが、未来の世代への希望の灯であることは明らかです。

それが本当に伝わっているのでしょうか?次世代のチベット人の中に、それがしっかり根付いているでしょうか?もしそうであれば、今日、何百万人々が“チベット運動の本質”を積極的に広めているはずだと、私は思います。」

アーサー氏は続けて、

「法王がすべてのチベット人に、そして世界中の民主主義国家の市民たちに託された責任とは、“神から与えられた権利”―すなわち、自由の権利―を広めることです。しかし今日、私たちは、私たちの利益のために行動していると主張する政府によって、ますます束縛されています。その多くは、右派的な権威主義を推進しているのです。これを終わらせなければなりません。

法王という、模範によって導かれてきた卓越した人格の持ち主がいる今、未来の世代、特にチベットの血を引く私の友人、兄弟姉妹たちにとって最も重要なことは、法王が歩まれたその生き方を体現して生きることです。

自由であれ。そして勇気を持ちましょう。法王の目的が常に“包摂性(インクルージョン)”であったことを理解してください。法王は決して、中国人や他の誰かを排除しようとはされていません。法王のビジョンは、すべての人々に属する世界なのです。」

和田有一朗衆議院議員は、日本チベット国会議員連盟を代表して、

「法王がご自身の転生は続くと明言されていることは非常に明確です。また、転生者の選定や認定は、法王の機関であるガンデンポタンによって行われるべきものであり、他のいかなる者もこの神聖なプロセスに干渉すべきではないと、法王ははっきりと述べられています。

私たちは、ダライ・ラマ法王が世界平和の促進に尽力されていることに深く感謝申し上げます。私たち日本チベット国会議員連盟は、すべての生きとし生けるものにとってより良い世界を実現するための法王の取り組みを心から支持いたします」と述べました。

和田議員はまた、チベット国会議員連盟山谷えり子会長からのメッセージも読み上げました。式典中の演説の通訳は、アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表が務めました。

記念式典では、中央チベット政権で25年間勤務した2名の職員に対して、ペンパ・ツェリン主席大臣より表彰状が授与されました。また、ガデンポタン賞と学業優秀賞が、イェシ・ワンモ最高裁判事より授与されました。ペンパ・ツェリン主席大臣は、職員2名の25年勤続表彰を行い、ケンポ・ソナム・テンペル議長は、チベット人の博士課程の学生9名に名誉賞を授与しました。

公式プログラムの締めくくりに、ダラムサラの様々なチベット系学校の生徒たちによって伝統舞踊が披露され、式典に鮮やかな文化的彩りが添えられました。

集会での演説するチベット国際キャンペーンの理事のクリスティーナ・ヤンセン氏  写真:テンジン・フェンデ/CTA
ペンパ・ツェリン主席大臣による内閣の声明発表 写真:テンジン・フェンデ/CTA
チベット亡命議会の声明を発表するケンポ・ソナム・テンペル議長 写真:テンジン・フェンデ/CTA

2025年度のガデンポタン賞受賞者たちとペンパ・ツェリン主席大臣 写真:テンジン・フェンデ/CTA
情報・国際関係省のテンジン・リグデン副長官に感謝状を授与するペンパ・ツェリン主席大臣  写真:テンジン・フェンデ / CTA
財務省オフィサーのタシ・ヤンゾム氏に感謝状を授与するペンパ・ツェリン主席大臣  写真:テンジン・フェンデ/CTA

オリジナル記事


(翻訳:中山直子)