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中国問題に関する連邦議会・行政府委員会、2022年の年次報告書を発表

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スタッフ・レポーター
2022年11月18日

ダラムサラ:中国問題に関する米国連邦議会・行政府委員会(CECC)は2022年11月16日、年次報告書を発表した。中国における中央集権的・権威主義的統治体制や深刻な人権侵害、人権擁護活動家に対する厳しい検閲、拷問そして拘禁、大量虐殺の継続、加速度的な「中国化」及び、中国、チベット、東トルキスタン、香港、マカオにおける強権的かつ持続不可能な「ゼロ・コロナ」政策の強要などについて詳述している。

年次報告書は、普遍的権利を「中国の人権観」に取り換えるという容認しがたい中国の提案について強調し、「習近平国家主席が、世界に売り込もうと試みる中国当局の人権観は道徳的に破綻している 」と明確に示している。

チベットについて

同委員会のチベットに関する報告書によると、中国はダライ・ラマ法王の代表使節と前提条件を設定することなく正式な対話を行うことを、最後に対話を行った2010年以降拒み続けている。

また、委員会の調査期間中に3名のチベット人が焼身抗議を図った。2009年以降、チベット地域での焼身抗議者は合計で154名にのぼり、そのうち135名が死亡している。委員会が報告した中には、チベットの首都ラサで25歳(当時)のポップ歌手ツェワン・ノルブ氏、チベット東部アムド地域・アバ県所在のキルティ僧院近くで81歳(当時)の男性タシ・プンツォグ氏(もしくはタフン氏)、そして今年初めに致命的な焼身抗議を図ったツェリン・サムドルブ氏(もしくはツェリン氏)がいた。

チベット人の信教の自由に関しての委員会年次報告で明らかなように、中国はチベット人の宗教的慣習を制限し管理し続けている。その結果、中国当局は主要な宗教行事の期間中際や、政治的に注意を要する記念日の前後にチベット仏教の宗教施設へのアクセスを制限すると共に、チベット地域における宗教的儀礼を禁止している。中国政府は、ダライ・ラマ法王を含む仏教指導者の輪廻転生について、その選定と承認のプロセスに関する権限を完全に掌握すると主張し続けている。報告書によれば、中国の法律規定や習近平国家主席の演説、及び「生き仏の転生を管理する措置」など、地方における宗教規制は、宗教的慣例に対する中国当局の支配を確立するため、僧院の教育課程に組み込まれているとしている。

報告書は、中国の憲法や法的規定でチベット人がチベット語を使用し保護する権利を保有することができることを装っており、チベット語は、かろうじて存続していると考察されている。チベットの言語的権利を徐々に衰えさせる対策の一つに、植民地的な寄宿学校の設立があり、そこでは4、5歳の幼いチベット人の子供たちが主に標準中国語で教科を学ぶことを余儀なくされている。また、報告書では、非公式なチベット人学校での補完的なチベット語教育が禁止されていることや、チベット語の擁護者や教師を拘禁し、チベット語の保護を徐々に衰えさせることが起こり続けていることが言及されている。

また、情報の自由な流れについて懸念されており、外交官が定期的に訪問許可を拒絶されていることが米国国務省の報告から明らかなように、外国のジャーナリストや外交官が引き続き厳しい制限に直面していると委員会は指摘している。気候変動に関する枠組条約(FCCC)年次報告書には、「TAR」(チベット自治区)にアクセスできるのは国家が支援する取材グループだけであると明言されていた。また委員会は、「中国当局は、中国のチベット人地域と海外の個人またはグループとの接触を監視または制限し続け、亡命チベット人、特にインドに居住するチベット人との接触が発覚したり、海外のチベット人に関する情報をチベット人地域内で共有した者を罰すると脅したりしている」ことを認識した。

報告書によると、ネット上で議論を行ったことで罪に問われたチベット人に対し、中国当局はWeChatなどのネット通信の基盤となるシステムを厳しく監視し、チベット人が自由に共有したり、投稿できるあらゆるコンテンツに対する制限を拡大もしくは維持した。新たな国家的措置と少なくとも1つの地方的規制は、チベット仏教やその他の宗教的事項を議論するためのすでに限られたオンライン空間をさらに制限することは明らかだ。

CECC 年次報告書による国会議員および行政官への提言:

  • 中国当局によるいかなる制限や妨害もない状態で、国連専門官及び国連特別手続作業部会による、いわゆるチベット自治区への訪問を計画し、当該地域の人権状況を独自に評価すること。訪問後、国連は、専門官による調査結果に関する完全な報告書を受領すること。外交官と外国人ジャーナリストがチベット地域に自由で透明性のあるアクセスができるようにすること。
  • いわゆるチベット自治区にある植民地的寄宿学校の状況を評価し、チベット人の権利の侵害に責任を負う中国当局に対して国際法違反として制裁を課すべきかどうかを判断すること。
  • 類似国の政府関係者、国会議員、非政府組織と協力し、中国および国際法の下で認められている信教の自由の権利を尊重するよう、中国当局に圧力をかけること。チベット仏教の実践と伝統に従い、チベット仏教徒はダライ・ラマ法王を含むすべての宗教指導者を認定し、教育する権利を有する。
  • 中国政府とダライ・ラマ法王との間の真の対話を再確立すること。その結果として、現在の中国の政策によって禁止されている国際法上のチベット人民族自決の権利に基づいた対話が行われるようにすることが必須である。中国当局からのチベットに関する偽情報(チベットの歴史、チベット人、チベットの機関及びダライ・ラマに関する偽情報を含む)に反論すること。
  • 平和的に人権を行使したために拘束または投獄されているチベット人政治囚の釈放を要求すること。この中には、ロブサン・ルンドゥプ氏(ペンネーム:ディ・ラデン)、ロブサン・ティンレ氏、トゥップテン・ロデュウ氏、ゴ・シェラップ・ギャツォ氏が含まれている。委員会の政治囚データベースにある拘禁されたチベット人の記録は、上述の要求のための有用な資料として提供すること。中国当局、法執行機関及び治安部隊に対し、恣意的な拘束、失踪、殴打、拷問、脅迫をやめるよう求め、チベット人の権利を擁護すること。
  • ダライ・ラマ法王から認定されたパンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマと、パンチェン・ラマとして認定された直後に失踪した彼の両親との面会について、中国当局に対して要請するよう、駐中国米国大使および国際組織の代表者に促すこと。

報告書の全文はこちらでご覧いただけます。チベットの項はP280から始まります。

-国連、EU、人権デスク、チベット擁護セクション及び中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)による報告

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