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中国の学者が古い中国の歴史資料にチベットを独立国家とする記載を確認

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2020年11月4日
USA、ワシントンDC
ワシントンのチベット代表部事務所主催によるオンラインのディスカッションで、「明朝期のチベットの地位」を披露するラウ・ハン・シアン教授

ワシントンDCのチベット代表部事務所は、オンラインでラウ・ハン・シアン教授と「明朝期のチベットの地位」をテーマにディスカッションを行いました。

ラウ教授は高名な中国系アメリカ人の学者で、退職後はチベットの立ち位置に関する研究に力を注がれ、歴史的な作品と言える「チベットが中国に属した歴史はない」を記しました。今回のセッションでは、ラウ教授は明朝期の権威ある資料に基づいて話を展開しました。皮肉なことに、この同じ資料は中国共産党によりチベットが中国の一部であったと主張する根拠として使われています。

ニョドゥアップ・ツェリン代表はラウ教授と参加者を歓迎し、このイベントを企画した趣旨を説明しました。

チベットについて代表は、中国政府は当初、チベットは唐の時代から中国の一部であったと主張していたと説明。しかしながら、証拠不十分なため、後にその言い分は撤回されました。

代表はさらに、法王が、歴史を変えることはできないが今後について話し合う用意があると話されたのに対し、中国政府がチベットは不可分な中国の一部であると認めよ、と無関係な要求を突きつけた事を非難しました。

中国連絡部のツルトゥリム・ギャツオ氏はセッションの仲介に立ち、全てのチベット人が一つの政権下で真の自治区を目指す事こそが、中道政策の核にあると説明しました。

彼はラウ教授が以前にも、そして今回も、チベットの若者たちに向けて話された事への感謝を表明しました。また、教授は謝礼や旅費や宿泊費などの支払いも受け取られないと説明。ツルトゥリム氏は参加者に謝辞を述べ、チベット人の若者たちに、教授の本を勉強して欲しいと伝えました。

教授は何故中国政府がチベットを昔から国家の一部であったと主張し続け、侵略や占領ではないと訴えるかの理由を解説しました。

  1. 中華人民共和国は1918年の国際連盟協定に調印している
  2. 中華人民共和国は1945年の国連憲章に調印している (このどちらも、今後の征服による領土の取得は認めていない)
  3. また、中華人民共和国は国連安全保障理事会のメンバーとしての威厳を維持する必要がある

ラウ教授によれば、古代中国の歴史文書においては、先の図に示されたように、ラオス、ビルマ、タイ北部は明王朝の一部として示されているものの、チベットは日本、韓国と並び外国として扱われています。この資料はインターネットで入手可能で、元王朝から中華民国にかけて出版され、後に中華人民共和国によって再版が出されています。v

ラウ教授との一時間半余りのやりとりは非常に興味深く、学ぶ事も多く、とても力づけられる内容でした。チベット代表部事務所は今後もラウ教授と連絡を取り、チベットは清朝期の中国の一部ではなかったとする論点を次のオンラインセッションで探究する予定です。

「ワシントンDCチベット代表部事務所 より報告」

オンラインセッションでのニョドゥアップ・ツェリン代表
セッションを仲介する中国連絡部のツルトゥリム・ギャツオ氏

(翻訳:Tidalwave)