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中国についての米下院特別委員会年次報告書2022

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117回下院
第2セッション
2022年11月

中国についての米下院特別委員会で使うための印刷物

ウェブサイト( https://www.cecc.gov )でも閲覧可能

IX. チベット

チベット
現状

  • 当委員会の考察によれば、中華人民共和国(中国)政府からダライ・ラマ代表団との公式交渉を再開したい意向はうかがわれない。ちなみに直近の最後の第9回交渉は2010年1月だった。
  • 中国はいぜんとしてチベット人の大半が信仰するチベット仏教の実践を制限し、支配力をくわえている。チベット人居住地域の地方当局は、とりわけ宗教上の主な祝日や政治的に敏感な記念日におけるさまざまなかたちの宗教行為を禁止し、仏教施設への立ち入りを制限している。中国はダライ・ラマをふくむ仏教転生者の選定、認定のプロセスに支配力をくわえようとしている。
  • 当委員会は3名のチベット人が焼身行為をおこなったとのの報告を認識している。これにより2009年以降、チベット人居住地域で政治的、宗教的問題を理由として焼身行為をおこなった人の数は154人となり、うち135人が死亡したとされる。2022年2月25日、ポップ歌手のツェワン・ノルブがチベット自治区ラサ、ポタラ宮殿の近くで焼身自殺をはかった。3月27日にはタシ・プンツォク(タプン、81歳)が四川省阿壩蔵族羌族自治州チベット阿壩県キルティ僧院近郊で焼身自殺をはかった。3月30日にはツェワン・サムドゥプ(ツェワン)が青海省玉樹蔵族自治州玉樹において焼身自殺(未遂)をはかった。
  • 中国政府はチベット人居住地域でチベット語を使う権利をおびやかしている。チベット語学校の閉鎖を命令するなど、チベット語をはじめとした現地の民族の言語にかわって中国語(北京漢語)の振興をはかり、中国語を使うよう強制している。人権団体の報告によれば、全チベット人学生の8割近くが中国政府が運営する寄宿学校(colonial boarding school)で教育されており、児童を家族やコミュニティから切り離すことでチベット人がもつ言語権や文化権を脅かしている。
  • 信仰に基づく表現、政府の政策の批判、ネット上の情報共有といった権利を行使するチベット人居住地域の住民を、中国政府は国際人権条約に反して制裁している。その今年の顕著な事例として、ディ・ランデンことロブサン・ルンドゥプがおそらく、その著作の発表を理由に4年の懲役刑に処せられたこと、中国政府によって2021年7月に閉鎖された私立学校の元教師リンチェン・キーが「分離主義扇動」のかどで拘置されたこと(後に釈放された)があげられる。さらに、ダライ・ラマの教えをひろめ、その著作物をチベット人に配ったかどで僧侶のロブサン・ティンレが5年の懲役刑に処せられた。

勧告

¤下院議員および米行政府高官には以下の行動を取ることが推奨される。

  • 国連および当委員会と似た考えをもつ国と協力し、(「マイノリティ問題」および「宗教や信仰の自由」を専門とする人権特別報告者、「恣意的拘禁作業部会」および「強制的・非自発的失踪作業部会」のメンバーを含む)国連特別手続と人権関連の専門家による中国のチベット人居住地域の訪問を実現させる。チベットの人権状況について、中国政府から制限や妨害を受けずに独立した評価を実施させ、えられた知見は国連向けの報告書として提出させる。外交官や外国人報道関係者による自由かつ透明性の高いチベット人居住地域へのアクセスの実現のために行動する。
  • チベット人居住地域の寄宿学校の現状をモニタリング、報告し、強制的な寄宿学校制度によるチベット人の権利を犯している中国政府の政策担当者に制裁を加える必要性を検討する。
  • 似た考えをもつ国の政策担当者、議員、非政府組織を協力し、チベット仏教徒がみずからの慣行と伝統にのっとってダライ・ラマをはじめとする宗教上の師をみつけだし、教育をあたえる権利を、自国の法規と国際法規が認めている宗教的自由と認識して尊重するよう、中国政府に圧力をくわえる。
  • 中国が事前条件をかさずに、ダライ・ラマまたはその代表団と真摯な対話の再開するよう、その促進をはかる。かかる目的における対話の呼びかけは、国際法で定められているが中国の政策のせいで実現できないでいるチベット人の民族自決権にもとづいている。チベットの歴史、民族、ダライ・ラマ制度などチベット特有の制度に対する情報捏造をはじめとした、中国政府によるチベット関連情報の歪曲をやめさせるために使えるリソースを使う。
  • 中国の政策担当者と関わる機会があれば、人権を平和的に行使したことを理由に現在、拘置されているチベット人政治囚(ディ・ラデンことロブサン・ルンドゥプ、ロブサン・ティンレ、テュプテン・ロデー、ゴ・シェラブ・ギャツォ)を釈放するよう、呼びかける。かかる取り組みにおいては当委員会の政治囚データベースが有用なリソースである。中国の政策担当者には法の執行を呼びかけ、中国の警察に対しては、平和的に権利を行使するチベット人の抑圧と懲罰を目的とした恣意的拘置、強制失踪、殴打、拷問をやめさせる。
  • 中国の政策担当者にたいし、駐中米国大使および国際機関の代表団と、ゲンデュン・チョーキ・ニーマとその両親を会見させるよう呼びかける。ゲンデュン・チョーキ・ニーマは1995年、ダライ・ラマがパンチェン・ラマ11世に認定したが、認定された直後に両親とともに失踪している。

原文の英語版全文はこちら: 


(翻訳:Akiko Shimoyama)

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