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世界を魅了するチベット—「少年キム」からリチャード・ギアまで

石濱裕美子 著

四六判 並製 259頁
発行:三和書籍
ISBN:978-4-86251-077-8
発売日:2010/04/10

 

 

 

チベットという国家が地図上から消えて短くない時間が経ちましたが、一方で、チベットが含有するその魅力により、国際社会において存在感は増すばかりとなっております。
歴史を通じて西洋社会は、サイード(「オリエンタリズム」著者)が言うように、自らの内部としてもたない「異質な」本質とみなしたものを東洋に押し付けることによって自らを規定してきました。19世紀における西洋のチベットイメージはオリエンタリズムの範疇を脱するものではなかったのかもしれません。しかし、1959年に国を失ったチベット僧に西洋社会が出会い、その普遍的な性格に魅了され、深く学ぶにつれて、チベット・イメージにオリエンタリズムの介在する余地はなくなることとなります。

本書は20世紀初頭の、『少年キム』から始まり、現在の音楽、ハリウッド映画に至るまでチベットを扱う様々な文芸作品を通じて、また、チベット文化に開眼した学者や文化人達の姿を通じて、チベット文化の普遍性と欧米社会に与えた善の影響について見ていくものであります。チベット文化に精通した歴史学者である著者が捉える視点には、オリエンタリズムにもオクシデンタリズムにもよらない深さがあり、一級の文化案内としても楽しめます。

本書を読むことによって、チベット文化に体当たりでぶつかり、そこから学ぼうとする欧米社会の姿勢を目の当たりにし、仏教徒と言われる私たち日本人に足りないものとは何かを改めて考えさせられます。

目次

  • 序論 チベット仏教の普遍的性格─モンゴル人・満洲人から西洋人まで
  • 第1部 小説の中のチベット─20世紀前半のチベット・イメージ
  • 第2部 現代欧米社会とチベット仏教
  • 結論 チベット文化が現代に持つ意味
  • 西洋とチベットの関係年表/関連文献
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