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ンガワン・サンドル  ラジオ局インタビュー 内容紹介

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(2003年4月2日 ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)

インタビュアー ナショナル・パブリック・ラジオ(以下、NPR)によるンガワン・サンドルの紹介

「チベットの独立を訴える仏教尼僧ンガワン・サンドル(26歳)は、今までの人生のほとんどを獄中で過ごし、そこで酷く殴られたりしてきた。ンガワン・サンドルは、ラサにあるダプチ刑務所で仲間の尼僧たちと歌を録音し、そのテープは密かに持ち出された。そして、国際社会の注意がサンドルに向けられることになる。頭痛や様々な疾病に苦しみ、昨年10月治療目的で仮釈放を受け、そして先日ついに中国を出た。
ンガワン・サンドルは、髪をポニーテールに結び、繊細な手をしていた小柄な女性であった。
インタビューは彼女が13歳に初めて投獄されたことから始まる・・・」

(ンガワン・サンドルの内容はチベット語の通訳を介してである)

●ンガワン・サンドル
「フリーチベット!」「ダライ・ラマ法王万歳!」と叫んだだけで私たちは逮捕されました。

◆NPR
あなたがわずか13歳の時でしたね。政治的活動をするにはとても年少ですが。

●ンガワン・サンドル
政治的活動が何たるかを知るには、13歳の私は若すぎたかもしれません。しかし、中国支配に苦しむ両親のもとで育ち、いつも彼らの体験談を聞いてきました。そして、チベット人が直面している状況を理解できるようになったのです。その状況を改善するために何かすることは、私にとっては自然なことだったのです。

◆NPR
13歳の時に、9ヵ月投獄されたのが最初ですね。殴られたりしたということですが、何が起きたか話してくれませんか?

●ンガワン・サンドル
ある朝、ダライ・ラマ法王の夏の宮殿であったノルブリンカの敷地内で逮捕されました。車に入れられ、拘置所へ連れていかれました。そしてその途中でも皆、殴られたりしたのです。ある尼僧たちはあまりにも殴られ、靴をなくし、裸足で拘置所へ行かなければなりませんでした。拘置所に着いてからも、夜になるまでずっと殴られ通しでした。
(拷問には)家畜に使う電気棒や、パイプからの放水も浴びました。また通称「航空ファッション」と呼ばれる背中に手を縛り上げ吊るすということもされました。

◆NPR
最初の刑期が終わって釈放され、15歳の時に再逮捕されましたね。監獄にいる時に、同じ刑務所内の尼僧たちと歌をテープに録音しましたね。1993年のことです。あなたが歌っている一曲を一緒に聞いてみましょう。

◆NPR
なんと歌っているんでしょうか?

●ンガワン・サンドル
これは、空以外には何も見えない環境にある牢獄の苛酷な状況、両親への思いを歌っています。また歌の中には、「現実は暗い雲に包まれているけれども、いつかダライ・ラマ法王という日光が差し、チベットの人々を救いにやっていらっしゃる」という節もあります。

◆NPR
中国当局はこのテープを見つけ、あなたの刑期はさらに6年延長となりました。こうした歌を録音することが危険を冒すことになると知っていたのですか?

●ンガワン・サンドル
もちろん、そうした内容の録音が違法であることを知っていたので、隠しました。でも周知のごとく、私たちはそのために働き、闘っていたのです。それで危険を最小限に抑えるべく、夜に録音したのです。それでも結局、当局に見つかったのですが。

◆NPR
あなたが今26歳ということは驚くべきことです。これまでのほとんどの人生を牢獄で過ごしたのですからね。このことについてはどう思われますか?

●ンガワン・サンドル
私がこれまでどれだけの人生の長い時間を失ったかということなど深く考えたことはありません。私自身が仲間の尼僧たちの拷問の目撃者であり、また他の人々が苦境に喘いでいることを知るにつれ、私はもっと抗議活動を行わなければと常に奮い立っていました。ですから、そうした自分のことなど考えも及びませんでした。

◆NPR
あなたは昨年10月に治療で仮釈放となったわけですが、刑務所を出るときのお気持ちはどうだったのでしょう?

●ンガワン・サンドル
刑務所を出て最初に驚いたのは、ラサが大きく変わったことです。多くのビルが立ち並び、車もたくさん走っていました。そうしたことを目の当たりにして、ものすごい変化があったことがわかりました。しかし、この状況を知るにつれ、変化の裏にチベット人が虐げられていることがわかってきました。つまり、車を移動手段に使っている90パーセントが中国人ということです。ビルにしてもそうです。ビルの建設はチベット人にほとんど利益がないようです。チベット人が置かれている状況が見えてきたのでした。

◆NPR
長く苦しい試練のあと、これからあなたはどこへ行くのでしょうか?どこに住んで何をするのでしょうか?

●ンガワン・サンドル
まっさきに私は、ダライ・ラマ法王にお会いしたいのです。それから、チベット人が自由を享受できるような解決方法へ向けて世界平和のために努力されているダライ・ラマ法王の御意志に貢献すべく努力したいと思います。

◆NPR
ンガワン・サンドルさん、私たちのインタビューを受けてくださり、本当に有難うございます。

●ンガワン・サンドル
こうした機会を頂き、またご支援くださっていることに、こちらこそ感謝しております。