(2013年2月20日 CTA)
ロサルを祝いつつ、チベット本土の同胞を思う
2141回目の木と馬の年のチベット暦新年を迎えるにあたり、カシャックはチベット本土および亡命地のチベット人にご挨拶いたします。
ロサルの祝賀では伝統的な宗教儀式を行い民族服を着ましょう。そうすることでチベットの風習を若い世代に継承できます。ダライ・ラマ法王は3月2日、米国ミネソタ州のチベット人協会にてロサルを祝賀される予定です。
ロサルは年長者が若い世代に経験を伝えるのに最適の時期です。チベットの悲劇は歴史文書に記録されていますが、若い世代が個々の家族の口承の物語や祖先について学ぶのも大切なことです。ルーツを忘れてしまえば、我々のアイデンティティやチベットの精神は徐々に弱体化し、衰退の道を辿る危険に直面します。
ロサルはお祝いですが、同時に謙譲、誠実、忍耐といった伝統的な価値についても考え直す機会としなければなりません。チベット人が今日、世界中で好意を受けているのは我々の主張が正しく、その実現のために暴力を使わないことを我々が標榜しているからです。またチベット本土に住む兄弟姉妹たちが計り知れない抑圧と苦難の下で生活していることを我々は一時も忘れてはなりません。
これまで私は9割を超えるチベット人亡命地を巡り、外国訪問もしました。こうした長い旅行の結果、ダライ・ラマ法王の政治からの引退後の移行期はスムーズで安定していたと改めて実感しました。こうしたスムーズで安定した移行が実現したのはチベット本土と亡命地のチベット人による揺るぎない支援のおかげに他なりません。カシャックは世界中のチベット人の皆様の支援に厚く御礼を申し上げます。
終わりになりましたが、偉大なるダライ・ラマ法王14世による人類のための精力的な行為が今年も今までに増して光り輝き、法王の望みが実現するよう祈念いたします。第14代カシャックはこの目的に向けて弛みなく前進を続けていきます。
ありがとうございます。タシデレ。
(翻訳:吉田 明子)