インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州ダラムサラ
スタッフ・レポーター
中央チベット政権のペンパ・ツェリン主席大臣は、7月2日午前、ダラムサラの官庁街カンチェン・キションにあるTCRC会館で、『 Harnessing the Dragon’s Fume(仮邦題:龍の毒霧を晴らす)』の刊行を発表しました。
この著書は、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所の現代表・アリヤ・ツェワン・ギャルポが、情報・国際関係省(DIIR)情報局長として在任期間中の2019年から2020年にかけて、中国によるチベットに関する虚偽や宣伝工作に対する反論として執筆した論説や随筆をまとめたものです。
本書刊行の発表には、ペンパ・ツェリン主席大臣のほか・ツェギャル・チューキャ・ドラニ内閣長官、DIIRのカルマ・チョーイン局長、同チメ・ツェワン局長、チベット政策研究所(TPI)ダワ・ツェリン所長、DIIRのテンジン・レクシャイ副次官そして、TPIのテンパ・ギャルツェン・ザムリャ副所長が出席しました。
ペンパ・ツェリン主席大臣は、刊行会見の挨拶で、チベットに関する中国による誤った歴史的表現に対して反証することの重要性を強調すると共に、アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表が一人のチベット人として、またCTAの高官として、チベット国内の状況の真実を伝えるために絶え間ない努力を続けてきた成果を称賛しました。
また、主席大臣は、個々のチベット人に対して、中国共産党による歪曲を検証し、検証可能な証拠に基づいて異議を唱える努力をするよう呼びかけました。
アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表は、発表会を主宰したペンパ・ツェリン主席大臣や他の政府高官に対して感謝の意を表すと共に、「中国によるチベットの占領は、中国がいかに主張しようとも、世界の目から見て不当なものであり、チベット問題は今日まで続いています。」と述べました。
また、アリヤ代表は、「中国による事実の歪曲を許したままにすると、歴史的事象について見識のない人々に対して、虚偽の信憑性を高めてしまうことになります。中国は、公式メディアを活用して、国内外の見識のない人々に対して、歪曲した物語を広めようとしています。ですから、世界各地のチベット人が、様々な分野におけるあらゆる活動を通じて、中国による虚偽に立ち向かうことが何よりも重要です。」と説明しました。
DIIRのカルマ・チョーイン局長は、中国が歪曲したチベットの内情に対して異議を唱えていくことの重要性について改めて強調し、中国が様々なスポークスマンや報道機関を通じて真実を捏造していることに対し警戒を怠らないよう呼びかけました。さらに、中国による虚偽に対しては、タイムリーに反論していくことが重要であると述べました。
TPIのダワ・ツェリン所長は、より多くの学者や研究者が、中国による宣伝工作に対抗する独自の反証や論文を発表することを期待している述べました。さらに、TPIは、こうした著作を後世のために保管・出版していきたいと述べました。
(翻訳:仁恕)