(2008年6月25日 BBC)
一連の反中国抗議活動から3か月以上が経過し、チベットへの外国人観光客の受け入れが再開されたと中国国営通信は報じた。
「チベットは『安全』であり、外国人観光客を歓迎する。」との当地観光局長の談話を新華社通信は引用した。
中国は3月半ばの騒動発生以降、チベットへの外国人旅行者の立ち入りを禁じてきた。
チベットへの外国人旅行者の立ち入りを許可する決定が出されたのは、日程が短縮されたオリンピック聖火が厳戒態勢の中、当地を通過してから数日経ってからのことであった。
新華社通信は「3日前にラサで行われたオリンピック聖火リレーの成功により、社会的安定性が一層強固なものになったことが証明された。」とのタナーチベット自治区地域観光副局長の発言を伝えた。
「チベットは安全であり、我々は国内そして海外の旅行者を歓迎する。」
また、ラサの中国チベット観光局も外国人旅行者のチベット立ち入りが許可されつつあるとBBCに伝えた。
中国人ツアー旅行者のチベット立ち入りは、4月末より許可されていると新華社通信は伝えている。
対話の遅れ
外国人ジャーナリストのチベット立ち入りは今なお厳しく制限されている。
火曜日のテレビ会議で、劉建超外務省スポークスマンは、「チベット情勢が更に好転した場合、チベットへの報道のための立ち入りもなるべく早い段階で許可される」ことを望んでいると述べた。
騒乱が始まった3月10日は、チベットが中国支配に対抗して蜂起した記念日にあたる。
チベット僧がラサで反北京集団を指揮し、それが自治区そして周辺の省への騒乱へと拡大した。
中国政府によると、暴動により19人が死亡したとのことだが、一方、チベット亡命政権は中国警察部隊が数十人のチベット人抗議者を殺害したと述べている。この騒乱はここ20年間のチベットにおいて、最悪のものとなった。
先週、中国政府は、今なお116人が抗議活動を行った罪で拘留されていると述べた。しかし、人権団体は、拘留者の数は実際は更に多いのではないかと懸念を抱いている。
5月初頭に、国際社会の圧力を受け譲歩したと見られる中国政府は、チベット亡命政権の精神的支えであるダライ・ラマの使者2人と対話を行った。
北京政府は、ダライ・ラマは暴動を扇動していると非難している。しかし、ノーベル平和賞受賞者でもあるダライ・ラマはこれを即座に否定している。
中国−チベットの2度目の対話は、四川大地震のため延期となっている。
チベット人活動家はこれを北京政府の議論を回避するための「遅延策」と非難している。