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チベット自治区レグチョク主席がダライ・ラマ14世の特使と会談

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(2002年9月16日毎日新聞)

(ラサ)チベット自治区政府のレグチョク主席は16日、自治区を訪問中の外国記者団と会見し、インド亡命中のダライ・ラマは14世の特使2人と会談したことを明らかにした。レグチョク主席は「中央の許可を受けて会った」と述べており、中国当局とダライ・ラマ側との対話が93年以来9年ぶりに再開した。

会談は15日午後、約一時間にわたってラサ市内で行われた。レグチョク主席は「二人は私人の身分で親戚や友人、企業訪問などのために来た。私から自治区の発展状況などを説明した。今後も親類訪問などの形で彼らの要望を受け入れていく」と述べ、ダライ・ラマ側に交流を呼びかけた。

ダライ・ラマ側は今月9日、特使2人が中国当局と93年以来の公式接触再開のため北京入りしたと発表していた。レグチョク主席は今回を含めて特使を「私人代表団」として受け入れていく方針を明らかにした。中国政府がダライ・ラマの「亡命政権」を承認していないためとみられる。

一方で主席は、「ダライ・ラマは単なる宗教家でなく、長期にわたって中国を分裂させる活動に従事してきた」と批判。ダライ・ラマとの直接対話についてはチベットの独立を放棄し、祖国の分裂活動を停止するチベット、台湾が中国の一部であることを認める—ことが前提条件との主張を繰り返した。

ダライ・ラマ側によると、特使はロディ・ギャリ氏駐米特別大使とケルサン・ギャルツェン駐欧州連合(EU)代表の2人。ロディ氏は過去の対中接触でも中心的な役割を果たしてきたと言われている。中国側によると、2人のチベット地区訪問は半世紀ぶりだと言う。