(2002年12月8日(日曜日)チベット女性連盟中央実行委員会(インド、ダラムサラ))
「チベットの物語は、1949年に隣国中国に植民地化された平和で信仰深い国の悲劇の物語です。占領の結果、何千というチベット人が殺され、投獄されました。僧院と宗教彫刻は破壊され、神聖な経典の山が燃やされました。悲劇は今もなお、続いています。
しかし、世界はチベットでの中国政府の蛮行に対し、見て見ぬふりをしています。多くの欧米の大国が中国によるチベットでの人権侵害に非を鳴らすため、折に触れ(中国を)非難する発言や決議を行なっていますが、残念ながら、中国が動じる様子はありません。中国がそうした非難を聞き流し、恥知らずにも国際協定に違反し続けているのが、現状です。その上、中国が経済大国であるため、リスクを冒したがらない国もたくさんあります。中国が自分たちの商業利害に影響を及ぼす可能性があるからです。
中国は、経済軍事大国であることを自負しています。事実、まさにそのことに力を得て、中国はチベットで大規模な人権侵害を行なっています。けれども、チベット人と国際社会が中国に対し、政治行動と一体となった強力な経済処置を行なう時が来ています。チベットと中国におけるさまざまな抑圧的・破壊的政策に資金を費やすことを可能にしているのは、まさに中国の経済商業力なのです。
最近、インド市場に安い中国製品の流入があり、インドの政治家、企業の経営者、実業家たちは懸念しています。インドの消費者は、安い中国製の小型電気機器や陶器、おもちゃなどを所有することに偽りの喜びを見出しています。中国製品の流入が進めば、インドの市場と産業に深刻な影響を与えることになります。増え続けるインドの失業率をさらに悪化させることにもなるでしょう。
チベット女性連盟は、圧制の手段となる中国の経済力に衝撃を与え、チベットにおける人権侵害への関心を高めるため、中国製品に対する集団ボイコットを開始します。このような運動は、草の根レベルで始められてこそ、最大の成功を収めることができると私たちは信じています。この場合、一人一人の消費者の行動が非常に重要な意味を持ちます。「メイド・イン・チャイナ」という札の付いたあらゆる製品の購入と使用をやめてください。消費者は、自分たちが払ったお金のゆくえを知る権利があります。あなたが買う安価な中国製品はすべて、チベット人と何百万もの中国人の人権侵害につながります。中国製品が安価なのは、中国政府にとって人の命が安価だからなのです。
私たちは、チベット人とチベットを支援する人びと、そして世界中の人びとに、この運動を成功させるために協力してくれることを切にお願いします。チベット人にとっては、自然に、また一個人として、イニシアチブが生まれるに違いありません。中国がチベットで大量虐殺を行なった1959年の数々の事件、1969年の文化大革命、そして悪化の一途をたどるチベットの現状を考えると、どこにでもある中国製品、特に魔法瓶や茶碗類の使用を控えることは、チベット人として、あなたの当然の責任であり義務であることが分かるでしょう。
人権と民主主義、そして世界平和の名のもとに、私たちは皆さんにお願いします。今後一切、中国製品を使用しないことを誓ってください。チベットと中国における人権侵害と人びとの苦しみを悪化させることにあなたのお金を使わないことを誓ってください。あなたの協力は、多くの不正を正すことができるのです」