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チベット亡命政権議員が衆参両院議員団と会談し中道政策への支持を求め、その後シンクタンク理事長と会談

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2017年4月26日
東京

来日中のチベット亡命政権議員3人が日本の国会議員を訪ね、中道政策支持の決議と、チベット人への教育支援を求めた。また、著名なシンクタンクも訪問し、中道政策、チベット人の教育を含むチベットの問題について議論した。

日本チベット国会議員連盟の下村博文会長を含む国会議員が、国会議事堂で、チベット亡命政権議員とダライ・ラマ法王日本代表部事務所の一行を歓迎した。

この会合には、衆参両院の約23人の議員が出席した。また、チベット問題に強い関心を寄せる櫻井よしこ氏(シンクタンク国家基本問題研究所理事長)も駆け付けた。

下村会長は、以前にインドのダラムサラを訪れ、ダライ・ラマ法王と会談したときの様子を語った。下村会長は、チベット人のアイデンティティー、言語、文化の保存のための支援をより強固なものにしたいと述べた。

また、下村会長は、今年2月に来日したロブサン・センゲチベット亡命政権首席大臣と会談したときの様子についても触れた。下村会長は、ロブサン・センゲ首席大臣との会談で、チベット人を支援する最善の方法について議論したという。

下村会長は、チベット文化は世界の平和と非暴力に貢献するものであることから、それを支援する価値があると述べた。

チベット亡命政権ダワ・ツェリン議員は、チベット亡命政権はチベット文化、言語、宗教の保存のために努力を重ねていると述べた。ダワ・ツェリン議員は、日本人議員に対し、ダライ・ラマ法王を国会に招待するよう求めた。さらに、今回の来日に際し日本人議員が支援してくれたことは、日本が真実と正義を支持するという強いメッセージを国際社会に送ることになると語った。チベット亡命政権議員一行は、ロシア訪問も予定していたが、ビザが拒否され、訪問は叶わなかったという。

ダワ・ツェリン議員は、チベット人の教育、医療に対する支援も求めた。こうした支援により、長い目で見た場合に、チベットの自由を求める運動をより強いものにすることが可能になるからだ。

また、チベット亡命政権テンジン・ジャムヤン議員は、チベットで焼身抗議が相次いでいるのは、中国政府によるチベット弾圧政策が原因だと述べた。また、チベット亡命政権が、若いチベット人の教育を最重視しているとも述べた。日本人とチベット人の交換留学プログラムは、チベット人にとって大きな恩恵があるという。

テンジン・ジャムヤン議員は、中国政府のチベット政策に起因するチベットの環境危機についても触れた。その話題の中で、いったん破壊された環境は元には戻らないことから、国際社会、とりわけ、アジア諸国がチベットの環境保存のために協力してほしいと語った。

日本人議員は、チベット難民の教育支援を約束し、チベット人学生が高等教育のために来日することを奨励すると述べた。

また、チベット亡命政権議員は、中国政府との対話を通じたチベット問題解決のため、中道政策支持の決議を強く求めた。

日本人議員は、147人のチベット人が焼身抗議を行ったということを世界が知れば、世界はショックを受けるだろうと述べた。そのため、チベットで起きていることを国際社会が知ることが重要だと語った。

同日午後、チベット亡命政権議員一行は、国家基本問題研究所の櫻井よしこ理事長を訪ねた。

櫻井よしこ理事長との会談の中で、パンチェン・ラマの役割、中国政府によるパンチェン・ラマの拉致、中国政府が別人ギェンツェン・ノルブをパンチェン・ラマとして擁立し政治ツールにしていることについての議論が行われた。

櫻井理事長は、ダライ・ラマ法王はチベット人を団結させ導く立場にあることから、チベット人自身がダライ・ラマ法王の転生者を選ぶことがこの上なく重要だと述べた。

櫻井理事長は、中国共産党政権にはいずれ変化が訪れるであろうから、チベット人が言語、文化、宗教を保存することが重要だと強調した。

チベット亡命政権議員からの教育支援の要請に対し、櫻井理事長は次のように語った。

「この件ついて、国会議員と協議します。長い目で見れば、日本政府からの財政支援は、チベット人の教育に大いに役立つでしょう。チベット人の若者が日本を訪れることを強く歓迎します。日本に来れば、多くの新しいスキルを身に着けることができ、それが自立につながり、チベットに貢献できるようになるでしょう。」

夕方、チベット亡命政権議員は、チベット人コミュニティが主催したラカルの祈りの儀式に参加した。議員らは、チベット人コミュニティのこのような活動に賛辞を送り、チベット問題をより多くの人に知ってもらうべく責任をもって協働していくよう求めた。

 

 


(翻訳:亀田浩史)