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チベット亡命政権緊急声明 チベット亡命政権は、 ロプサン・トントゥプの死刑執行に深く遺憾の意を表し、 トゥルク・テンジン・デレクが同じような目に遭わないよう要求する

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(2003年1月27日 チベット亡命政権情報国際関係省)

2003年1月26日死刑
執行されたロプサン・トントゥプ

(ダラムサラ)チベット亡命政権は、ロプサン・トントゥプの死刑執行の知らせを受けました。

もしこれが事実ならば、我々は深く遺憾であり、また52歳になる大変人望の篤い仏教僧トゥルク・テンジン・デレクが秘密裏に再審となった後、控訴を却下されたことについても大変残念に思うものであります。

我々は、この即決裁判の報告に大変失望しました。なぜなら、この裁判が公正なものでなく、中国当局は裁判も死刑執行も正当とする確固たる証拠を提示することができないでいるからです。我々は、普通の社会規範に添って生活している全ての人々がこれを深く懸念していることを中国に注意を喚起するよう、国際社会に求めます。

12月2日、カンゼ中級人民裁判所は、即決裁判でトゥルク・テンジン・デレクとロプサン・トントゥプは死刑の判決を下しました。ロプサン・トントゥプは即決で死刑判決を受け、トゥルク・テンジン・デレクは、2年の執行猶予を含む死刑判決を受けました。どちらも控訴を請求していました。2人は、去年4月3日に四川省成都で起きた爆弾事件を巧妙に計画したと告発を受け、4月7日拘留されていました。

トゥルク・テンジン・デレクは、カンゼで精神的師として大変尊敬を集めている人物のひとりで、チベット人の窮状を改善しチベットの言語と文化を回復するための活動に長く携わっていました。

控訴の訴訟手続きが透明性に欠き、公正でないことは疑いようがありません。トゥルク・テンジン・デレクの肉声メッセージは、四川省カンゼ(甘孜)州のチベット族自治州ダルツェンド(康定)監獄で1月18日に録音され、チベットの活動家に手渡されました。テープは密かにチベット語放送のラジオ・フリーアジア(RFA)のもとに運ばれました。そのメッセージの中で、トゥルク・テンジン・デレクは容疑とされることについて何もしていないことを強調しています。

「当局が何と言おうと何をしおうと、私は完全に無実である」

「私は常に人々に他人に対して親切な気持ちで思いやりを持つよう強く言ってきた。私がそう言い、実践していることは誰もが知っている」

「私は世界全体の平和を望んでいる。生きとし生けるものは生命のサイクルの輪において、ある意味においては、身内なのだ」

「私はいつも、他人に手を出してはいけないと言ってきた。それは、あまりにも恥ずべき行為だ。私は(爆破事件に関する)手紙やビラも配っていないし、ましてや密かに爆弾を仕掛けるなどもしていない。私はいまだかつてそのような考えなど起こしたこともない。他人を傷つける行為など考えさえもしない。公平な人間なら、私の事件を徹底的に調べるはずだ」

ロプサン・トントゥプの死刑執行のニュースは予期せぬものであり、我々はトゥルク・テンジン・デレクも同じ運命に遭うことがないよう望んでいます。

我々は、トゥルク・テンジン・デレクの死刑判決の取り消し、さらに公正な態度で透明な再審に向けて、中国政府に圧力をかけるよう国際社会に強く呼びかけるものです。チベット人はチベット問題を和的な交渉を通して解決するよう努力しています。我々は、チベット問題の交渉による解決のためのダライ・ラマ法王のイニシアチブに中国首脳陣が応えることを願います。