(2009年2月4日 Phayul.com )
[ダラムサラ、2月4日] タイムズ紙インターネット版によれば、ラサの警察当局は、チベット正月の祝賀返上を呼びかけるキャンペーンに加担したとの嫌疑により、数十人のチベット人を逮捕した。
目撃者がタイムズ紙に語ったところによれば、制服および私服の警察官と軍隊に准ずる武装人民警察のメンバーは、チベットの若者に人気のある茶館を急襲し、路上では老若を問わず人々を拘引した。
ラサの消息筋によれば、拘留された人々の多くは「流言を広めた」との嫌疑を受けている。
タイムズ紙インターネット版によれば、この一斉検挙はラサ市内のラモチェ寺院周辺から始まった模様である。この地域では、昨年3月14日、平和的なデモが暴動に発展した。
チベットの人々は、2月25日に始まる正月(ロサール)の祝賀を返上するキャンペーンを行っている。キャンペーンは、昨年チベットで行われた軍事的弾圧の犠牲者を悼みながら新年の三日間を過ごそうと呼びかけている。ロサールの祝賀に反対するアピールは、インターネットに掲載されたり、印刷物により配布されたりしている。
そうした印刷物のひとつは、「2008年に亡くなったチベットの人々、自らの命を顧みなかった多くの英雄達を悼むため、また全チベット人への共感を示すために、我々は正月を返上し、手をつないで連帯しなければならない」と訴えている。
ラサの消息筋がタイムズ紙インターネット版に語ったところによれば、ラサの公務員は、「毎日出勤し、事務所に留まり、如何なる騒乱にも加わらなかったとの報告を提出する」ことを誓約せよと当局に命じられた。また、家族にも当局の指示を守らせるよう命じられ、従わなければ厳しく罰すると警告された。
タイムズ紙インターネット版は、「ラサでこれほど緊張が高まったのは昨年3〜4月の逮捕劇以来だ」という匿名の発言を伝えた。
近年最も政治的危うさをはらんだ周年記念日を前に、チベット高原には不穏な空気が漂っており、中国は保安対策を強化しつつある。国営メディアは、1月18日に始まった「厳打」キャンペーンの下、ラサでは先週だけで81人が拘留されたと伝えている。
(翻訳:鈴木知子)