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チベットでの人権侵害に対し、EUまたもや沈黙を選ぶ

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2002年3月12日
インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット ICT

インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット(ICT)は、昨日の欧州連合連合(EU)の明白な決定に対して失望した。

EUは、国連人権委員会第58回会議において中国に対する決議を提案しないと決定したものである。チベットにおける中国の人権侵害が多数報告されていることから考えれば、この決定は、EUが表明している人権保護政策、すなわち民主主義と法による支配、人権と基本的自由を進展させ強化するという方針とは矛盾するものである。

「EUの対中国決議提案拒否は、中国のチベットの人々に対する行動を非難せずに許すということである」と、ICTヨーロッパ代表のツェリン・ジャムパは述べた。

EUは、中国と人権問題対話を行う方がより良い方法だったと指摘することによって、決議提案をしないという決断を表明した。

「中国政府が、その人権問題を白日のもとでおおやけに論じるよりも秘密会談を好むのは驚くに当たらない。しかし、EUの対中国人権問題対話がこれまでチベットの人々に利益をもたらしたなどと信じる人はいない」とジャムパは語った。

1997年以来、人権委員会におけるEUの影響力は後退してきており、アメリカが対中国決議支持を取りまとめる指導力を発揮してきた。だが、アメリカが提案した1998年、1999年、2000年の決議案は、中国によって正式に出された「実行差し止め」動議によって取りやめられた。昨年行われた西側加盟国のための補充選挙でEUがアメリカを締め出したため、対中国決議に関する責任はEUに委ねられることになった。

「今年EUが対中国決議提案を拒否したような、自由国家として人権委員会委員国としての責任のこれほど完全な放棄を、アメリカはこれまでしたことがない。アメリカの経験が示しているのは、決議案の提案をしつつ中国との人権問題対話を継続することは可能だということだ。決議案提案の判断基準は何よりも、人権保護が著しく向上したか否かであり、答えは否だったのである。EUは、対中国決議をその成果に基いて考慮する確乎たる勇気を持つべきであり、中国人とチベット人の人権保護を促進するのに秘密会談によるべきではない」とICT会長のジョン・アカリーは語った。

国連人権委員会は3月18日から4月26日までスイスのジュネーヴで開催される。