(2009年6月20日 Tibet.Net )
ダラムサラ発:新華社通信が、気温上昇と森林破壊の進行により、チベット内での干ばつと砂漠化が深刻化していると報じた。
現在、チベットにある6県中5県の33郡部において、干ばつ状態が発生している。これは、チベット高原の15.3%にあたるものである。地域干ばつ対策及び洪水管理本部からの発表として新華社通信が伝えた
報道によれば、これまでに干ばつにより13,601頭の牧牛が死亡している。チベット自治区気象庁のザオ・イーピン氏(Zhao Yiping)によれば、チベット内の9地点の気象台において、226日連続で降雨を観測していないという。
ザオ氏によれば、平年よりも高い気温が、干ばつに悪影響を及ぼしているという。チベットでは、過去数年に比較し、摂氏0.4度から2.3度高い気温にみまわれている。
この報道は、先月、中国気象庁の高官が、チベットは地球温暖化による脅威に直面しているという警告に引き続いて発表された。脅威とは、干ばつや氷河がとけた結果起こる洪水であるという。
先月の新華社通信の報道によれば、中国気象庁長官のゼン・グオガン氏(Zheng Guogang)が、地球温暖化が氷河の減少を加速し、チベットの多くの湖にける増水を招くと警告した。
「このまま温暖化が進行すれば、中国西部の数百万の住民は、短期的には洪水の危機、長期的には干ばつの危機に直面することになるだろう。」
さらに、チベットでは、年間39,600ヘクタール(98,000エーカー)の土地が砂漠化していると新華社通信が地域林業局の発表として伝えた。
サンギィ・ダワ氏(Sangye Drawa)によれば、チベット自治区政府は、植林プログラムの推進、一部牧草地の遊牧民への立入禁止措置により、砂漠化の広がりを止めようと努力している。
「2010年までに、我々は砂漠化進行をゼロにとどめ、2020年までに再生可能な砂漠化された土地の緑化をおこなう」と同氏は語った。
また、同氏によれば、砂漠化が進行した土地は、現在チベット高原の18%を占めており、その原因は、乾燥気候と森林の欠如であり、また、過放牧、森林伐採、鉱物採掘も砂漠化進行の要因であると考えられていると語った。
(翻訳:川崎)