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ダライ・ラマ法王:平和な雰囲気につつまれたハワイ講演

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(2007年4月25日 ホノルル・アドバタイザー紙)

マウイ島ワイルクにて(ホノルル・アドバタイザー紙、クリスティ・ウィルソン)
ダライ・ラマ法王テンジン・ギャツォが戦争記念スタジアムのステージに登場する前から、彼の平和と慈悲のメッセージは、推定1万人の群衆の間に広がっていた。

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法王は『世界平和への人類のアプローチ』というテーマでの講演中、たびたび笑い、そのユーモアとつつましい物腰で聴衆を魅了した。ダライ・ラマ法王は、宗教は幸福な人生にとって必要不可欠なものではないのかもしれない。人間の基本的な価値(訳注:思いやり、やさしさ、自己を律することなど)を尊重する気持ちこそが肝要だと話した。

愛と慈悲は宗教的な事柄であり日常生活においては重要でない、と多くの人が考えていると法王は言う。「これは完全に間違っています。事実、この目まぐるしい世界において、愛と慈悲はかつてないほど重要性を増しているのです。」

自分の体にいい食べ物を選ぶのと同じく、私たちは精神的な健康のために、憎しみやねたみ、うらやみ、怒りを避け、『感情のスーパーマーケット』から適切な選択をしなくてはならない、と法王は言う。

孤立に対する批判

マウイ島のワイルク戦争記念スタジアムには、ダライ・ラマ法王による平和、慈悲、そして先住民族の文化保護についての講演を聴こうと1万人を超える群集がつめかけた。
ダライ・ラマ法王は、(少数民族などの)文化保護の問題に関し、孤立することが独自の文化を守る最善の方法であるという考えには賛成できない、先住民族は自らのアイデンティティを保持するために、教育と「近代化」を利用すべきであると述べた。

また、文化的な指導者は、現代世界の状況と照らし合わせながら、永続させるべき伝統と捨て去るべき伝統 ——自分たちの主義・主張とはもはや関連しなかったり、有益でなかったりするもの —— を選ばなくてはならないとも述べた。

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正当かつ公正な大儀の実現を目指すことは、たとえそれが一個人の生涯の間では絶望的に思えたとしても、価値がある、とする法王の意見を聞いたハワイ島のクム・フラ(訳者注:フラの指導者)プアラニ・カナカオレ・カナヘレさんは、「ネイティブ・ハワイアンの権利を求める闘いについて考える上での新たな視点となった。これを成し遂げるには一世代以上かかるでしょう。自分たちが生きている間にできるのか、少し不安になる時もありますね。」と述べた。

マウイの聴衆は、独自の文化の保護や慈悲に関する法王のアドバイスに耳を傾けた。

講演前にハラウ・フラ・ウェヒウェヒ・オ・レイレフア所属の ダンサーによるフラダンスを観覧するダライ・ラマ法王 写真:クリスティ・ウィルソン