(2009年8月28日 Phayul )
ダラムサラ:中国・国営新華通信社によると、中国政府は昨日、ダライ・ラマ法王の訪台を許可した台湾の馬総統の決断を糾弾したという。同通信社は、中国政府は「いかなる形式、立場であれ」、ダライ・ラマ法王の招待に「断固反対」していると報じた。
新華通信社の引用によると、国務院台湾事務弁公室のスポークスマンは「ダライ・ラマ法王は純粋な宗教的人物ではなく、以前からずっと、宗教を口実に分離主義的な活動に従事してきた」と述べたという。
中国政府は、ダライ・ラマ法王の訪台を「苦労してやっと手にした(台湾との)良好な関係を妨害する行為」と見なしている。「明らかにこれは災害救済のためではなく、我々が苦労してやっと手にした、海峡{かいきょう}を隔てた良好な関係を妨害しようとする試みである。中国のあらゆる分野の人々が台湾を再建し、台風の被害を迅速に克服するために手を差し伸べているにも関わらず、台湾の民主進歩党の党員らはこの機会を利用してダライ・ラマ法王の訪台を企んでいる。」とスポークスマンは話した。
台湾の馬総統は、台風8号による苦痛を和らげることができるかもしれないという理由から、ダライ・ラマ法王の訪台を許可した。台風8号は今月台湾を直撃し、AP通信によると死亡者数は約670名にものぼる。
ダライ・ラマ法王は8月29日にラドカ視察を終え、台湾を訪問する予定である。台風8号によって被害を受けた7つの自治体の首長らが、犠牲者やその家族らを慰めるためにダライ・ラマ法王を台湾に招待していた。8月31日から9月4日まで台湾に滞在する間、ダライ・ラマ法王は演説を行い、台風によって被災した地域を訪問することとなっている。
ダライ・ラマ法王による過去2回の訪台時(1997年3月と2001年4月)、現在の与党である国民党の親中的なアプローチに対し、より敵対的な意見を主張する民主進歩党が政権の座にあった。
(翻訳:櫻木晴子)