(2010年3月4日 Dalailama.com )
(ロンドン、UK) チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王がインターネットのソーシャル・ネットーワーキングサービスであるTwitter(ツイッター)に登場した。
中国政府は今年75歳になるダライ・ラマ法王を危険分子とみなしているが、ダライ・ラマ法王の明確な姿勢はTwitterにおいても貫かれている。たとえば米国訪問の際にCNNの看板トーク番組『ラリー・キング・ライブ』に出演した際には、「ダライ・ラマ、“抑圧”があろうとも中国を愛す、と語る」とつぶやきが書き込まれた。
また、Twitterのダライ・ラマ法王のつぶやきは法王の正式ホームページとリンクされており、インターネット上でダライ・ラマ法王の法話を聴くこともできる。
チベットの人々が中国政府の支配に反旗を翻した1959年、ダライ・ラマ法王は余儀なくインドに亡命。以来、インド北部のダラムサラで亡命生活を送っている。
中国政府はダライ・ラマ法王が故郷チベットの自治を獲得すべくTwitterを使ってキャンペーンを繰り広げはじめたのではないかと注視していくと思われる。
『アジア・タイムズ』によれば、ダライ・ラマ法王がTwitterを始めたのは、ホワイトハウスでオバマ大統領と会談した直後で、Twitterの創設者であるエヴァン・ウィリアムズ氏がダライ・ラマ法王に直接勧めたのだという。
ウィリアムズ氏は2月22日のTwitterで、「本日、ロサンゼルスにてダライ・ラマ法王に謁見。Twitterをお勧めしたところ、法王は笑っておられた」とつぶやいている。
ダライ・ラマ法王がTwitterに初登場したのはこの日で、以来、2週間で14万人(2010年3月25日現在、約19万人)がダライ・ラマ法王のアカウントをフォローした。Twitterの初期の頃にもダライ・ラマを名乗るつぶやきがあったが、偽者であったため閉鎖された。
ほかにツイッターを使用している宗教指導者にはジョン・センタム・ヨーク大主教がいる。
多くの司祭や聖職者とともに活動している英国国教会であるが、カンタベリー大主教やウエストミンスター大司教のすがたはツイッターにはない。
チベット救援ファンド(Tibet Relief Fund)の代表を務めるフィリッパ・カリック(Philippa Carrick)氏は、「たった2週間でこれほど多くの人がダライ・ラマ法王のアカウントをフォローしているのは、法王の思いがチベットをめぐる政治を越えて人々の胸に届いているからだと思います。ダライ・ラマ法王には途方もない数の信奉者がいますが、これはその証です。仏教徒であろうとなかろうと、みんな、ダライ・ラマ法王の精神性や人間性を尊敬しているのです。法王はよく、『より良い世界にしていく責任はひとりひとりにある』と普遍的責任について語られます。Twitterもそのような思いからでしょう」と語った。
ダライ・ラマ法王のTwitterはこちら http://twitter.com/DalaiLama
(翻訳:小池美和)