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ダライ・ラマ法王、メキシコ・シティで3万人を前に演説

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(2011年9月12日:メキシコ・シティ)

ダライ・ラマ法王は、クル・アズル(ブルーサッカー)スタジアムで「困難な時代の幸福とは?」と題するスピーチを行いました。このスピーチに先駆けて、ダライ・ラマ法王はザカテカス州のミゲル・アロンソ・レイエス知事とホテルで会談しました。会談では、近い将来、ザカテカス州を訪問されるよう知事がダライ・ラマ法王を招聘し、ダライ・ラマ法王は原則的にそれを承諾しました。

3万人の観衆が入ったクル・アズル・スタジアムでは、メキシコ・シティの宗教委員会のメンバーたちがダライ・ラマ法王を迎えました。そして、長きにわたりチベットの良き理解者であり、ダライ・ラマ法王の信徒でもあるリチャード・ギアが観衆にダライ・ラマ法王を紹介しました。

ダライ・ラマ法王は、「私たちは皆、平等で、誰もが幸福な人生を送りたいと望んでいます。そして、私たちの誰もが幸せになる権利を持っています」との言葉で演説を始められました。ダライ・ラマ法王は起立したまま1時間以上の演説を行い、観衆は早朝の強い日差しの下、歓喜の心をもってこれを静聴しました。その後、ダライ・ラマ法王は観衆からの質問を受け付けられました。チベットの旗を持ったメキシコ人に対するコメントを求められたダライ・ラマ法王は、1954年に中国訪問し、毛沢東主席と会談したとき、毛がチベット人は自国の旗を持ち、それを使うべきだと言ったことを明かしました。「ですから、チベットの国旗に抗議する人がいれば、毛主席でさえ、チベットの国旗に反対しなかったんですよ、と教えてあげて下さい」、とおっしゃいました。これを聞くと、小さなチベット国旗を手にしていた多くの人がそれを高く掲げて振りました。

スタジアムには、「メキシコはチベットを愛しています」と書かれた巨大なバナーが架かっていました。数千人の人々がチベットの小旗を持つ姿が報道陣の目にも印象的でした。

ダライ・ラマ法王が演説を終え、イベント主催者が閉会の謝辞を述べると、観衆はダライ・ラマ法王の長寿を祈る祈祷の句をスペイン語で唱えはじめました。

雪の山に囲まれたこの地で、
慰めと喜びを与えてくださる法王様
全能のチェンレシ、テンジン・ギャツォよ
輪廻が終わるその日まで、そこにいらしてください

その後、メキシコの伝統歌謡「マリアチャの演奏家がステージに上り、ダライ・ラマ法王のために感動的な惜別の歌を演奏し、観衆もこれに加わり歌いました。

舞台上でメキシコ・シティの宗教委員会のメンバー、そしてメキシコ伝統歌謡の演奏家たちと集合写真を撮り終えると、ダライ・ラマ法王はスタジアムを離れました。同じ日の午後、ダライ・ラマ法王はリヤンドロ・ヴァレ文化センターに赴き、メキシコの教育家たちと「ホーリスティックなアプローチ:マインドを磨き、良き心を育てる」と題した討論会に参加しました。注目を集めたこの討論会にはメキシコの教育労働者協会のメンバー千人が参加し、その様子はアステカTVによってリアルタイムでメキシコ中に放映されました。三日間のメキシコ訪問の全日程を終えられたダライ・ラマ法王は、明朝、アルゼンチンの首都、ブエノス・アイレスに向けて出発されます。アルゼンチンでの予定滞在期間は二日です。


(翻訳:吉田明子)