
インド・カルナタカ州フンスル
テンジン・デサル(チベット・ポスト・インターナショナル)
ダライ・ラマ法王は自身の誕生祝賀会にご臨席され、一連の説法を行い、インド・カルナタカ州のバイラクッペとフンスルにあるチベット人居留地の訪問を終えた。
法王は出発前にギュメ密教大学で2日間にわたりマハームドラについての説法を行った。マハームドラは心の性質について代々伝えられてきた仏教の教え。仏教哲学によれば、心には勝義諦と世俗諦の2つがある。
「サムドン・リンポチェは極めて重要な高僧であり、我々は2人とも同じ教師たちから教えを受けました。会話のなかで、リンポチェは私にマハームドラの説法をするよう頼まれました」、と法王は述べられた。
フンスルのラップギャリン居留地訪問の最終日、法王はギュメ密教大学に在籍する僧侶と周辺のチベット人居留地から訪れたチベット人に対して長寿の福分けの儀式を行った。

法王は福分けの後、「亡命の地で私たちは大きな物質面での進歩を実現しました。ですが、一部にはまだ貧しい人々もいます。貧しい人々の隣人と中央政権のチベット居留地局は彼らの面倒を見なければなりません。サービスを拡大し、居留地周辺のインド人の村々を助けなければなりません。彼らを全面的に助けるのは大変な仕事ですが、出来る限りのことをしなければなりません。チベット人診療所ではチベット人だけではなく、近隣のインド人の治療も行われるべきです」、と述べられた。
バイラクッペのツォジ・カンサル病院に勤務するテンジン・タシ(29歳)は、「祝福を受けるためにバイラクッペから来ました。法王の教えを受けることが出来て大変嬉しいです。法王のお話はいつ聞いても必ず感動を受けます。法王はより良い人間になるための励ましを下さいます。先の誕生祝賀会にあったお言葉通り、怒りを覚えたり動揺した時には法王のことを、そして法王のメッセージを考えようと思います」、と述べた。
未確認情報によれば、法王はこの後、瞑想修行のためラダック地方を旅される予定。この期間、公的・私的な謁見の申し込みは受け付けられていない。
(翻訳:吉田 明子)