米国の出版社キャラウェイ・エディションズは28日、同社が中国南部の企業に依頼して製本した本が、中国当局によって現地で押収されたと発表した。押収された本には、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世の写真が使われているという。米国務省スポークスマンは同日「事実とするなら、人権規約などに違反する」と批判した。

押収されたのは、ホワイトハウス専属のカメラマンの写真を集めた「クリントンの歳月」など3種類。「クリントンの歳月」には、ダライ・ラマとクリントン米大統領が握手する写真が含まれていた。他の本には、ヌード写真などが含まれていたという。

これらの本は、香港で印刷され、隣の広東省深センで製本され、米国に送られることになっていた。しかし、深センの税関当局によって16,000冊が押収されたという。

欧米では、印刷費用の安い香港や中国南部に本の印刷・製本を委託する企業が増えているが、こうしたトラブルは過去にあまりなかったという。