(2002年11月7日 APより抜粋)
(ウランバートル)11月6日、モンゴル訪問中のダライ・ラマは、中国政府が繰り返し言い張っている「ダライ・ラマはチベットの独立を求めている」ことを否定し、チベットの自治を求めているのだと明言した。これは、モンゴル国立大学でのダライ・ラマの名誉博士号授与式でのコメントである。授与式には学術関係者、仏教僧など総勢200人が参加した。
「私はチベットの独立を求めていない。チベットの自治を求めている。それは、中国人、チベット人双方の利益をもたらすものと私は思う」とダライ・ラマは英語で述べた。ダライ・ラマは詳しくは語らなかったが、より大きなチベットの文化的政治的自治を求めることを以前から述べている。
中国外務省は、ダライ・ラマのモンゴル訪問をチベットの独立を宣伝するためのものだと非難している。
11月6日、ウランバートルの中国大使館のワン・フーカンはこう述べた。
「ダライ・ラマはどの国に行っても政治的なことを企てる。ダライ・ラマは分裂について語り、中国は真っ向からこれに反対する」
11月8日から始まる中国共産党大会で新しい指導者が決まる予定である。授与式で学者たちがダライ・ラマに、そのリーダーが果たして誰であれば中国のチベット政策は変りうるか、と聞くと、ダライ・ラマはこう答えた。
「それがわかるには時期尚早だ」
しかし、さらにこう付け加えた。
「私は楽観主義者だ。なぜなら、世界は変化しており、中国もその重要な役割を担っているからだ」