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シギャップ・リンポチェ、日本の国会議員に訴える

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2024年5月8日

国会議員との集合写真 Photo@MM

東京:ダライ・ラマ法王日本代表部事務所は2024年5月7日、「チベットにおける中国の継続的な人権と信教の自由の侵害について」というテーマで、東京の衆議院国際会議場で、日本の国会議員のためのチベットに関する勉強会を開催した。チベット支援者やメディア関係者も参加した。

司会を務めた自由民主党の石橋林太郎議員は、冒頭の挨拶でパンチェン・ラマ問題について述べ、30年近く経ってもその行方がわかっていないことを議員たちに説明した。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表であるアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は、国会議員、チベット支援者、メディア関係者の勉強会への参加に感謝した。続いて、シギャップ・リンポチェを参加者に紹介し、チベットの状況がいかに悪化しているか、中国共産党が植民地的な寄宿制学校により、いかにチベットのアイデンティティと宗教文化を破壊しようとしているか、また、高位ラマ僧の選定を含むチベットの信教問題への長年にわたる干渉について話した。

南インドのタシルンポ寺の住職であるシギャップ・リンポチェは、本物のパンチェン・ラマの失踪と、チベットの信教問題への中国の継続的な干渉について述べ、

「私は、このチベットの悲惨な状況を心から訴えます。チベットの人々の移動、自由に対する厳しい弾圧と非人道的な制限は、悪化の一途をたどっているのに、チベットの人々は何もできないまま苦しんでいます。今日、私の一番の訴えは、パンチェン・ラマ11世の即時釈放と、チベットに住むチベット人の長年の窮状に対処するために、皆様にご協力をお願いすることです。」と語った。

中国共産党のチベットに対する抑圧的で植民地的な政策について、シギャップ・リンポチェは、次の3点を議員と支援者に訴えた。翻訳家の三浦順子氏がリンポチェの通訳を務めた。

1)日本の国会議員は、中国政府に対し、パンチェン・ラマ11世の即時釈放と所在の公表に向け、あらゆる努力と圧力をかけること。

2) ダライ・ラマ法王の生まれ変わりの選定を含む、中国の、人権侵害とチベットの信教問題への干渉を非難する決議を採択すること。

3) ダライ・ラマ法王の展望を支持し、チベットを平和地帯とし、対話と中道によるチベット問題の解決を目指すこと。

中国の人権侵害を監視する日本の国会議員の会長である古屋圭司議員は、リンポチェの声明に感謝し、チベットの信教の自由に対する全面的な支援を約束した。また、リンポチェの語った3つのポイントについて学ぶよう議員に呼びかけ、中国がダライ・ラマ法王の生まれ変わりの選定に干渉しないよう促す声明を発表する可能性を表明した。

日本チベット国会議員連盟の下村博文会長は、社会的・国家的レベルでの平和と調和をもたらす仏教の貢献について述べ、日本の国会が2022年に可決した、チベットやその他の占領地における人権侵害に対する中国の非難決議について語った。また、中央チベット政権の2人の主席大臣が日本を訪問し、国会議員たちと交流したことについて述べた。

参加者の議員のひとりは、チベットの現状や情報、ニュースがどのように妨害されているかについて質問した。シギャップ・リンポチェとアリヤ博士はその質問に立ち会い、植民地時代のような寄宿制学校、ラルンガルとヤチェンガーの状況、ドラゴの仏像と祈りの輪の破壊、157人のチベット人の焼身抗議、最近のダム建設のためのチベット人の強制移住などについて参加者に伝えた。

日本チベット国会議員連盟事務局長の石川昭政内閣府副大臣兼デジタル副大臣は、日本の情報源からの資料を読み、タシルンポ寺とパンチェン・ラマがチベットの宗教文化においていかに重要な役割を果たしたかについて語った。

-ダライ・ラマ法王日本代表部事務所による報告

 

挨拶する日本チベット国会議員連盟下村博文会長 Photo@MM
(左から)石川議員、シギャップ・リンポチェ、アリヤ代表 Photo@MM
パンチェン・ラマのお写真との集合写真 Photo@MM

オリジナル記事


 (翻訳:稲田かおり)