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オーストラリア政府、 ダライ・ラマ法王との「公式」会談を認める

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2002年5月21日 メルボルン(The Age)

オーストラリア連邦議会は、政府高官がダライ・ラマ法王に接見し、チベットの人権迫害に関して会談することを許可することに同意したが、この動きは中国を怒らせることになると見られている。

この会談が間際になって承認されたのは、オーストラリア政府の高官がオーストラリアを訪問する亡命中のチベット指導者と会談することを許可しないようにという中国の要求を、ジョン・ハワード首相が受け入れたことに対する非難が湧き上がった後であった。

政府に対するダライ・ラマ法王との会談の要請は1か月前に出されていたが、今日まで公式な回答はまったくなかった。

ハワード首相、および上級大臣は、ダライ・ラマ法王と会談する予定はないが、中国支配下の地域における人権問題に関して公式の議論が交わされることは、中国側のダライ・ラマ法王に対する懸念を直撃することになる。

中国大使館のスポークスマンは、中国がダライ・ラマ法王とのいかなる公式会談にも反対していることはオーストラリア政府に伝えてあると語った。

スポークスマンは、「ダライ・ラマは、宗教的人物ではなく、中国を分離しようとしている亡命中の政治的人物である」と述べている。スポークスマンはまた、中国の意図はオーストラリアに明確に伝えられていると語った。

ダライ・ラマ法王のオーストラリア訪問ディレクターであるアラン・モロイは、会談が開かれることを知ったのはThe Ageから連絡を受けた時だと語った。アランは、「今回の会談は、中国との人権に関する対話にかかわるオーストラリア人にとって、自分たちの成果をダライ・ラマ法王に報告するよい機会となるだろう。しかし、ハワード首相との会談にとって代わるものではない」と発表した。

外務省のスポークスマンは、会談はダライ・ラマ訪豪の主催者によって要求されたものだが、要求では政府高官との「公式会談」として位置付けられた、と述べている。

外務省のスポークスマンはまた、「我々は、政府高官をオーストラリアと中国の人権に関する対話の代表団のメンバーに任命している」と発表した。

中国と人権問題について話し合う代表団は、政府によって任命される。人権および機会均等委員会のアリス・テイ委員長は代表団長、および会談の議長を務めることになっている。

この会談は、チベット亡命政権のオーストラリア代表部事務所が最初に要請したと伝えられている。

外務省のスポークスマンは、政府がダライ・ラマ法王の訪豪に関して中国と取り引きをしたという噂を否定し、次のように述べた。
「オーストラリア高官がダライ・ラマ法王と会談しないように約束したということは決してない」

ハワード首相は、1996年にダライ・ラマ法王が訪豪した際に会見しているので、今回会談を持つ理由がないとしている。首相はまた、法王の訪豪中に国内にはいないと言っていたが、現在の予定では、ダライ・ラマ法王がオーストラリアを離れる数日前に中国から帰国することになっている。

法王の訪豪に先がけ、中国は訪問団を無視するように国家、および連邦政府に圧力をかけた。外務省は、連邦議会のグレートホールにおけるダライ・ラマ法王との公式午餐会の提案を却下した。

昨日になって、シドニー中国領事館がシドニーオペラハウスに、ダライ・ラマ法王の訪豪を記念して今度の日曜日に開かれるコンサートの催しを取り消すよう求めていたことが明らかになった。