(2002年5月8日 チベット亡命政権ジュネーブ代表部)
イタリア議会はこの程、チベット支援グループを設立した。この支援グループはイタリアの上下両院の主要な全政党の議員9十名で組織される。5月8日、ローマでのイタリア国会の席で記者会見が催され、議員のジアーニ・ベルネッティがこの支援グループの設立を公式発表した。彼がこのチベット支援グループの議長を務める。
フォルツァ・イタリアを含む6つの政党が代表となるが、中でも政治的に優勢な立場にあるこの政党が記者会見に応じ、チベット人が主張し大望する自治権獲得を純粋な目的として継続的な支援を行うことを表明した。
この席でダライ・ラマの代理を務め、在ジュネーブのチメー・R・チューキャパは次のように述べた。
「イタリア議会の中でこういった支援グループが組織されたことにより、チベットの悲惨な状況に対する国際的な関心が高まっていることが中国当局に痛烈なメッセージとして届くだろう」
早速、チベット亡命政権内閣や亡命チベット代表者議会のメンバーとの会談を行うためダラムサラ訪問が提議された。また近く予定されていたダライ・ラマのイタリア招聘に関しては延期することが決議された。支援グループが最初に取り組むことは、議員がチベットに関する決議草案を提起し、上院の熟考をあおぐことである。
この決議草案でなされた要求は以下の通り。
- ダラムサラのチベット亡命政権と中国政府間で対話を再開して交渉を行い、チベットの将来的な状況に関して双方が受け入れ可能な解決策を見出すこと。
- チベット人の基本的人権を尊重すること。
- この3年以内に中国がチベットに完全な自治権を与えない場合、欧州連合はチベット人の真の代表者をチベット亡命政権であると認識する。
またこの他、欧州連合は対チベット問題の特別代表者の席を再度設けるかどうかの討議が交わされている。
この記者会見の席には、アムネスティ・インターナショナル、イタリア事務局のパオロ・ポビアッティやイタリアチベット協会のピエロ・ヴェルニ、イタリア労働組合連盟からはクラウディオ・テッキーオ、そしてローマ在住のチベット人教師ニマ・トゥンドゥプが参加した。
チューキャパは、チベット亡命政権に代わり、イタリア議会が主要な全政党からの代表者をもってチベット支援グループを設立したことに対し感謝の意を述べた。同様に、平和と自由を求めて非暴力の抗争を続けているチベット人に幅広い支援をもたらすこの議員のグループが第1歩を踏み出したことに対し、歓迎の意を表した。