2022年6月16日
スタッフ・リポーター
東京 :日本の第208回国会(常会)の閉会日である2022年6月15日、参議院議員会館で記者会見が開かれ、中国の占領下にある各地域の代表者が登壇し、彼らの大義を訴えた。この記者会見は自由インド太平洋連盟がコーディネートし、元日本チベット議員連盟事務局長の長尾敬氏と評論家の三浦小太郎氏が主宰した。
2021年2月、中国が占領地での人権や信教の自由を侵害し、近隣諸国へ領土侵略を行っていることを非難する法案「新疆ウイグル等における深刻な人権状況に対する決議案」が日本の衆議院で可決された。参議院でも今期中の国会で同法案が可決されると予想されていたが、成立しなかった。今回の記者会見は、この問題について国会議員に訴えるために開かれた。
ダライ・ラマ法王日本代表部事務所の代表・アリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は、「先の衆議院による中国の人権侵害に対する非難決議は、国際社会から非常に高い評価を受け、共産主義政権による抑圧に苦しむ人々に大きな希望を与えたのみならず、中国の指導部に対し、『世界は見ている』という正論のメッセージを送ることができていた」と述べ、同法案が参議院で通らなかったことについて遺憾の意を表明した。
アリヤ代表は、中国共産党の指導部は脅威的な存在となり、戦争や情勢不安の原因になっていると述べた。「日本は自由で民主的な国家であり、アジアと世界の平和と安定を大きく促進することができる。日本は責任とリーダーシップを発揮し、人権侵害と不公平に苦しむ人々のために声を上げるべきだ」と述べた。
在日ウイグル人で人権活動家のグリスタン・エズズ氏、南モンゴル・クリルタイの幹事長・ゴブルド・アルチャ博士、世界モンゴル連盟のダルハド・ハスチョロ氏、「中国における臓器移植を考える会/S・M・G(ストップ・メディカル・ジェノサイド)ネットワーク」の根本ゆきお氏が会見に臨み、参議院で法案が成立しなかったことへの衝撃と落胆を表明した。
各地の代表者らは、母国の深刻な状況を報道陣に知らせるとともに、国会議員に対し、自由と正義のための闘いに対する支援を要請した。ウイグル代表のエズズ氏は、祖国での拷問や残虐行為について、涙ながらに語った。
――ダライ・ラマ法王日本代表部事務所による報告
(翻訳:S.Suzuki)