ブルーミントン(AP通信)
アメリカのチベタン文化センターでダライ・ラマと30名ほどの僧たちが、丹念に砂で精緻に描かれ色付けされたマンダラを清めた。カーラチャクラ、「時輪」の儀式が終わると、ダライ・ラマは(マンダラの)砂を払い入れ、僧たちがモンロー湖近くにその砂を散らす。それは癒しの力を解き放つと信じられている。
カーラチャクラの儀式は、悟りの道の足がかりとなるものと考えられている。インディアナ大学、アメリカ中央西部の町として知られるブルーミントンに世界各地から数千の人々がやって来た。ブルーミントンでこのような崇高な仏教儀式が行われることなど思いもよらないことであった。
しかし、ダライ・ラマは、87年、96年、ブルーミントンを訪れたことがある。この大学の町は、ダライ・ラマの兄、トゥプデン・ノルブが65年以来住んでいる。79年、元大学教授のノルブは、ここブルーミントンにチベタン文化センターを設立。
ノルブ曰く、「このカーラチャクラは私の長年の夢だった」
ダライ・ラマと信奉者たちは、思いやりと慈悲を通して他人を助けることが出来る大乗仏教の教えに従っている。マンダラは色のついた砂で描かれ、暴力を抑制する24の腕と4つの頭を持った仏を表す。参加者が最良の心がけでこの儀式を終えると「全ての生きとし生けるものに幸福をもたらすために」その人は悟りのさらに高い境地に到達することができるという。
理想を具現した存在として、菩薩がある。菩薩は、自らの涅槃を求めず、他の人々の苦しみを救うため平安を完全なものにする。
「カーラチャクラ、特にダライ・ラマ法王に執り行われるカーラチャクラは、その人の人生にとって素晴らしいことだ」とスイス在住のチベット人、ツェリン・ドルジェ(49歳)は言う。3回目のカーラチャクラとなるツェリンはこう続ける。
「私に幸福と満足を与える。他人のことを考え、手助けし、良い人間になるよう導いてくれる。これは全ての教えの真髄だ」
参加者たちは自分がマンダラに入る姿をビジュアライズした。