ダラムサラ:2月5日、アムド(青海省チベット自治州)でチベット人男性が中国政府の抑圧的な政策に抗議して焼身した。彼の名前はパクモ・サムドゥプ、27歳。2014年になって初めての焼身抗議であり、これで犠牲者は2009年以降125人を超えた。
パクモ・サムドゥプは5日の夜9時半頃、チベット自治州ツェコク県ドカルモ郷にあるパンチェン・デイ・スクール付近で焼身した。
中国警察が現場に駆け付け、パクモ・サンドゥプを運び去ったが、行方や安否は未だ不明である。
中国当局は6日真夜中の午前1時から3時頃まで、過去にも焼身抗議が幾度も発生しているツェコク県やレゴン県周辺に部隊を大量配備し、厳重な警戒を敷いてチベット人の動きを封じた。
この焼身抗議後、メディアにこれを知られないようにするため、現地の通信手段がすべて不通になったと伝えられている。
3月2日のチベット暦新年を目前に控えていることから、パクモ・サンドゥプの焼身抗議以前にもチベット地域のいたる所で部隊が増強され、軍部による弾圧が増加していたことが報告されている。
パクモ・サンドゥプは在家の修行者で、結婚し、二人の子どもがいた。
チベットにおける焼身抗議の波は、2008年にチベット人が行なった平和的抗議に対して中国政府がンガバ県(現在、中国四川省に併合)でチベット人を暴力的に弾圧、これに抗議したキルティ僧院の若い僧侶が2009年に自らの身体に火を放ったことに始まる。
以降、チベット地域のさまざまな場所で125人を超えるチベット人が、チベット地域における中国政府の抑圧的政策に抗議して焼身している。その内、死亡が確認されているのは107人。残りの抗議者の消息と安否は不明のままである。
その多くは焼身抗議において、ダライ・ラマ法王のチベット帰還とチベットの自由を求めている。
(翻訳:小池 美和)