(2012年1月19日 ダラムサラよりピャユール氏の寄稿)
在中国米国大使のゲーリー・ローク氏が共産諸国における人権状況は悪化していると発言し、北京では激しい反応を引き起こしている。
「中国における人権状況は常に目まぐるしく変化し、浮き沈みが激しかった。しかし現時点では、事態は確実に悪化しているというのが我々の見解だ」とゲーリー・ローク大使は今週初め、米国国営テレビでのチャーリー・ローズ氏のインタビューに答えている。
ローク大使のこの発言は、17人目のチベット人が中国支配に抵抗して焼身自殺をした数日後、更に中国の習近平(シー・ジンピン)国家副主席の訪米の数週間前とあり、重要に受け止められている。実際に大使はシー氏の訪米に先立ってワシントンで討論を開催中であった。
「アラブの春」以降、中国での民主運動家、反体制活動家、弁護士の身柄拘束の増加は、明らかに共産党幹部による民主化運動の大規模暴動に対する脅迫である、とローク大使は述べる。
また「中国の指導者達は、アラブ諸国で起きたのと同様のことが中国国内でも起こっているのではと懸念している」とも発言。
「紛争や政治討論への弾圧は強化され、汚染食品や薬品による被害者の弁護をする弁護士の権利と活動まで抑圧されている」
昨年7月の就任に先立ち、ローク大使は米国上院での公聴会において「チベット問題の特別調整役と緊密に協力し、中国の指導者達とチベット問題を頻繁に議題にし、率直な話し合いが持てるようにする」と証言している。
更に「特別調整役と協議の上、承認されれば、中国とダライラマ代表部のチベット人の宗教、言語、文化的アイデンティティの保護についての対話をサポートするつもりでいる」との声明を明らかにしている。
(翻訳:高島美奈)