2024年9月17日
東京: 2024年9月14日、南モンゴルクリルタイ主催『「モンゴル・チベット相互承認条約調印110周年記念国際シンポジウム 論文集」発行記念集会』が東京都の中野区役所で開催され、学者やチベット・モンゴル支援者、メディア関係者などが出席した。同誌は昨年、1913年1月11日にモンゴルとチベットの間で締結された相互承認条約を記念して開催された「モンゴル・チベット相互承認条約調印110周年記念国際シンポジウム」に参加したパネリストや学者による論文集である。
評論家三浦小太郎氏がパネリストと参加者を歓迎し、集会の司会を務めた。中野区議会議員の吉田康一郎氏は参加者に挨拶し、主催者がモンゴルとチベットの独立という歴史的に取りざたされてこなかった問題について重要な論文を発表したことに祝辞を述べた。また、チベット人と南モンゴル人が正義と自由を得るために奮闘し、そして歴史を語る上で自分たちの存在を力強く示そうとしていることに対して、全面的な支持を表明した。
アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表は主催者に感謝を述べるとともに、歴史や文化、言語の重要性、中国共産党(CCP)がいかにモンゴル人とチベット人のアイデンティティを破壊し、歴史を歪曲しようとしているかについて語った。中国がモンゴルとチベットに対して主張する、かつての元朝と清朝の覇権主義には根拠がなく、歴史を著しく歪曲していると説明した。また、1913年に両国間で結ばれた相互承認条約の正当性について語り、本論文集の英語版を発行することを約束した。
モンゴル研究の専門家である宮脇淳子博士は、中国とは、本来どこのことを指していたのか、またチベットやモンゴルのような領土がどのように占拠されていたのかについて聴衆に説明した。歴史の重要性についても触れ、チンギス・ハーンとその王朝に関する中国の主張は、国際社会を混乱させるための誤解を招く誤った情報であると非難した。
南モンゴルクリルタイのオルホノド・ダイチン常任副会長は、「モンゴル・チベット相互承認条約調印110周年記念国際シンポジウム 論文集」発行に携わった関係者に感謝し、1913年に結ばれた両国間の条約は今なお有効であり、学者たちはそれを是認
すべきだと述べた。また、チベットとモンゴルは中国よりもはるかに深い歴史的関係があり、中国の元朝に関する主張は虚偽であり、誤解を招くものであると述べた。
神戸大学非常勤講師のゴブロード・アルチャ博士と桐蔭横浜大学非常勤講師のボヤント博士は、中国がいかにして南モンゴルを占領し、土地と人々を中国化するために強制的に同化政策を実施したかを示した論文について語った。漢民族の大量移民により、モンゴル人は自国内で少数民族となり、自由を求める闘いへの国際社会の支援を強く求めている。
その後、パネリストによる質疑応答とインタビューが行われた。参加者からは、モンゴルとチベット側の話をもっと詳しく知りたいといった満足の声が聞かれた。
–チベットハウス・ジャパンによる報告
(翻訳:Naoko Hasegawa)