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「チベット人、監視下に」「居住地に解放軍が常駐」ダライ・ラマ会見


(2008年11月2日 産経新聞)

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は2日、東京都内のホテルで産経新聞と会見し、今年3月のチベット騒乱以後に再開されたダライ・ラマの特使と中国政府による話し合いについて、「中国はチベット問題の現実を全く無視している。状況は全く変わっていない」と指摘した。

また、中国の温家宝首相が「ダライ・ラマはチベットと中国を分離させようとしている」などと述べたことに触れ、「温家宝首相に直接、その根拠をただしたい。私がそのような行動をとっていないことはすべての人々が知っている」などとして激しく批判。その一方で、「将来的にも中国政府に関与していきたい」とも強調し、中国側の方針転換に期待を示した。

中国内のチベット人居住区に関して、ダライ・ラマは「いたるところに中国人民解放軍が駐留している。秘密警察要員も多数入り込んでおり、チベット人は厳重な監視下に置かれている」としたうえで、ある地区には1万人以上もの兵士が駐留し、チベットの伝統的な文化財や寺院などが破壊されていることを明らかにした。また、5月と7月の話し合いでも、中国側はダライ・ラマを批判するなど、チベットを取り巻く環境は「まったく変わっていない」と指摘した。

ダライ・ラマは今後の対応を協議するため、今月17日からインド在住の亡命チベット人ばかりでなく、世界中から自身の支持者らが集まり、インド北西部の亡命政府で特別会議を開催することを明らかにした。会議について「どのような結果になるか、まったく予想もつかない。ただ、民主的にそれぞれの意見を腹蔵なくオープンに披露する場になる」と述べた。

かつて自らが言及したこともある「政治的引退」が現実化するかどうかについてダライ・ラマは、「当分の間は、そうならないだろう。私はまだ(亡命政府に)全面的な責任があるし、(中国の)中央政府に関与していかなければならない」と引退の可能性を否定し、中国政府と粘り強く交渉する姿勢を明らかにした。

インタビューに答えるチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世=2日午前、東京都中央区(撮影・矢島康弘)