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第49回国連人権理事会:国連加盟国、チベットにおける人権尊重を中国に求める

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2022年3月22日
スイス、ジュネーブ
スタッフ・リポーター

第49回 国連人権理事会

ジュネーブで通常会期中の第49回国際連合人権理事会で、複数の国連加盟国が中国に対し、チベットに住むチベット人の基本的権利を尊重するよう呼び掛けた。

チェコ共和国、デンマーク、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、スイス、イギリスの代表者らは、チベットの状況悪化に懸念を表明し、チベットでの基本的権利を尊重するよう中国に訴えた。さらに、アメリカ、フィンランド、オーストラリア、ノルウェー、アイルランドなどが、少数民族の権利を尊重するよう中国へ呼びかけた。加盟国らは、高等弁務官が中国やその他地域への訪問に際しても、主要な合意事項として「有意義で自由な」アクセスという条件を含んでいるべきである、と主張した。

議題4「理事会の注意を要する人権の状況」についての口頭陳述では、中国による「広範囲に及ぶ人権侵害」に対する「深刻な懸念」を繰り返し表明した。特にチベットの状況に関して、「寄宿学校を利用して、文化的、言語的、宗教的アイデンティティーの侵害が行われている、という新しい報告を含め、チベットの状況に対しては、依然として国際的に強い懸念がある」とイギリスは述べた。更にイギリスは中国に対し、「ジャーナリストが逮捕、嫌がらせ、報復を恐れることなく報道できるようにする」ことを訴えた。同様に懸念を表明しているスイスは、特にチベットや東トルキスタンにおける人権尊重が「進展していない」ことに対しても深刻な憂慮を表明した。また、高等弁務官が中国やその他の地域を訪問するとの発表を歓迎し、スイスは高等弁務官の滞在中、中国による「無制限のアクセス」を期待している。同様に、フランスは、チベットでの人権状況の悪化が進んでいることに遺憾の意を表明した。そして中国に対し、「完全かつ自由なアクセスを保証し、東トルキスタンに関する報告書を公表する」よう促した。

ドイツもまた、チベットでの中国による組織的な人権侵害について提起した。そして、高等弁務官に「自由なアクセスを認める」よう中国に求めた。オランダは、チベットを含む中国による市民の自由の抑制についての深刻な懸念を表明した。同様に、スウェーデンはチベットを含む中国による人権侵害について懸念を表明した。更には、「少数民族、人権擁護者、メディア関係者、その他表現の自由を行使する人々」を標的にした、中国の人権侵害について提起した。デンマークは、チベットでの人権侵害の報告について強い懸念を示した。同国代表はまた、中国やその他の地域への訪問の際、高等弁務官に対して「自由なアクセスを保証する」よう中国に求めた。

更には、開催中の人権理事会定例会のハイレベル・セグメントでは、チェコ共和国の外務大臣は、チベットを含め、中国による表現、宗教・信仰の自由に対するさまざまな制限についての懸念を提起した。チェコ共和国はさらに、基本的権利の行使に対して勾留された全ての人権擁護者、ジャーナリスト、弁護士らを釈放するよう求めた。

会期第二週目には、チベット事務局ジュネーブの国連アドカボシー担当官のカルデン・ツォモ氏が登壇し、高等弁務官と中国の意義のある対話が始まることにより、チベット人の根本的な不安に対処するよう要請した。

常会期中の第49回国連人権理事会の傍ら、2月28日、スイスとリヒテンシュタインのチベット人コミュニティーは国連人権理事会の建物の前でデモを行い、高等弁務官事務所に嘆願書を提出し、チベットでの急速な状況悪化に強い懸念を表明し、高等弁務官がチベットのこの現場に緊急の注意を払うよう促した。第49回国連人権委員会は2022年2月28日から4月1日まで開催される。―――チベット事務局ジュネーブによる報告

オリジナル記事


(翻訳:Noriko Kubo)